以前レビューしたペット・セメタリーの続編です。
どうしても元祖ペット・セメタリーと比較してしまうのは、続編の背負った十字架と言うべきでしょう。
そして期待を裏切ることなく「二作目は駄作」を踏襲するところも。
前作との比較によるレビューは置いておいて、単作としてレビューしようと思います。比較レビューは後述します。
制作:1992年(米)
監督:メアリー・ランバート
脚本:リチャード・アウッテン
原題:Pet Sematary 2
前作が1989年公開なので3年後ですね。
今回の脚本はオリジナルなのでしょう。スタッフにスティーブン・キングの名前が見当たりませんでした。
ちなみに音楽はラモーンズほぼ関係なし。
エンドロールに一曲だけ"performed by RAMONS"のクレジットが目にとまったけど。
【キャスト】
- ジェフ(エドワード・ファーロング)
- チェイス(アンソニー・エドワーズ)
- ガス(クランシー・ブラウン)
【ストーリー】
冒頭はジェフが母親の撮影風景を見に来た場面。
母親は有名な女優。この日はホラー映画の撮影。
しかし撮影中の不慮の事故により、ジェフの目の前で感電死してしまう。
ジェフは母の死を機会に、父親チェイスと田舎に引っ越してくる。
そこはクリード事件のあった場所(詳細は前作参照)。
チェイスの職業は獣医で、この地で開業することとなる。
ある日ジェフの友人の愛犬が、彼の義理の父ガスにより射殺されたことから始まります。友人はペット・セメタリーの奥にある先住民の墓の噂を頼りに、愛犬を「その場所」に埋葬します。その埋葬に立ち会うジェフ。
その夜。愛犬は来るべくして友人の元に戻ってきます。
凶暴な性格に変わった姿で。
【単体作品としての所感】
それなりにホラーシーンもあり、ストーリーもあまり無理を感じなかった。
いじめっ子の無茶や、ガスの横暴さに反感を受けつつ(ジェフにエールを送りつつ)、彼らヒールがやっつけられる感はありますね。
全体的に「失敗しているなぁ」という感じを受けつつラストまで観ました。
一番は感情移入がしにくい(つか終始客観視できた)こと。
イベントも多いし、出演者も多い。確かにストーリーは繋がっているのだが、あっちこっちに移って集中できない。
あとジェフのマザコンぶりには辟易した。
「そこまでやるのか」(; ̄Д ̄)
と感じました。
ちょっとだけフォローしておくと、ジェフ役のエドワード・ファーロングは結構うまく演技していたと思います。
肝心の怖さはというと.....
「それほどでもないか」という結論になりますかね。
前作のカラクリ(「そこ」へ埋めると蘇える)を踏襲しているので、先が読めてしまうんですよ。
ネタばれになりますけど一番怖かった(気持ち悪かった)のが、ガスが蘇えった後、彼が愛してやまないウサギを次々と殺して皮を剥いでゆくシーンかも。
【続編としての所感】
前作のイベントを引き継いだ設定。
クリード一家の惨劇は都市伝説的な事件として語られており、ことの真偽を知る人は皆無(唯一蘇えった猫のチャーチを診断した老獣医がでてくるが)。しかしクリード一家の屋敷、ペット・セメタリーへと続く小道などは、シーンとして活かされています。
さてカラクリを知った上での感想となりますが、やっぱり「駄作」といわれても仕方ない内容と思いました。
なんというか薄っぺらいのです。
これは演出や演技の影響もあると思うのだが、具体的には安易すぎると感じました。
死んだ者が蘇える先住民の墓地。
前作では愛する者を不条理に失った悲しみと、「悪いこと」と知りつつも傾いてしまう葛藤が良く表現されており、「死」に対する畏敬の念もしっかり表現されていたと思います。
が、今作ではあまりにも「死」が軽く扱われて、観ていて不快に感じた部分もありました。
「ちょっと埋めてみた」といったノリですね。
「死」ってもっと大切なものという感じを持っています。厳かといいますか...
また前作で感じた良い意味でのギャップ(違和感)。
- 凡庸な片田舎 vs 爆走するコンボイ
- 怖く悲しい物語 vs パンクビート
背景設定は別物と思うくらい変わっています。1シーンだけトレーラーが出てくるのですが、積み荷はジャガイモ(タマネギ?)だし。
特に音楽に関しては、完全に二番煎じを意識して、あげく失敗していると思いました。アンマッチなロック(ポップ)が流れるのですが、浮いてしまっているだけでした。
総括すると、前作では「愛する者を不条理に失った者の悲しみ」や、「埋めても仕方ないよな」(蘇らせる)といった共感がありましたが、今作は何でもかんでも埋めちゃえ、生き返らせちゃえといった無節操感が否めない展開でした。
総合評価★★☆☆☆(甘いか)
- 面白さ:
★☆☆☆☆ - ホラー度:
★★★★☆ - グロ度:
★★☆☆☆ - サイコ度:
★☆☆☆☆ - ミステリー度:
☆☆☆☆☆ - サスペンス度:
★☆☆☆☆ - アクション度:
★☆☆☆☆
ちなみに「続編」としての評価です。
つづきはネタばれです。
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