201309_yami7
闇動画7
制作年:2013年(日)
収録時間:68分
カテゴリ:ホラー/ドキュメント(投稿系)
【総括】
8月にリリースされたシリーズ最新作の7作目。総じていい感じの映像を揃えたシリーズだ。
全5話収録。中編×3、短編×2の構成はシリーズデフォルト。内容は心霊×2、オカルト×3。ラストの「魔の領域」を心霊にしようか悩んだが、狐に化かされたような話だったのでオカルトとした。グロ系少々、エロ無し。
いやぁ。かなり良かったっす。短編はイマイチなんだけど、主要な中編の出来が良いので全体的に好印象。内容はめちゃ怖い話がある訳ではないが、平均的にクオリティが高い。勿論ある程度のフェイクは容認した上で、致命的な破綻や不自然さが見受けられないのでリアリティがある。久しぶりに映像面もストーリー面も納得のいく満足感が得られた。
【各話紹介】

  1. 非在の視線と不在の視線
    [分類]オカルト
    [概要]中編。宅配荷物を配達する映像。
    投稿者インタビュー。バイク便のバイトしていた投稿者は仲の良かった同僚がいた。投稿者がバイトを辞めた後も同僚との付き合いは続いた。その同僚から預かった映像。この同僚がよく配達に行った翻訳会社の荷物の受取対応が変わっていた。荷物を届けると玄関に誰も出てこない。部屋の奥から印鑑を押して荷物を置いていくようにと女性の声がかかるだけ。投稿映像は家の中にカメラを固定して同僚が荷物を届ける姿を映していた。何度も配達に行った同僚だが、その日はチャイム押しても返答が無くて不在だった。不在は初めてなので気になってドアに手をかけると鍵がかかっていない。ドアを開けて玄関に入るが人の気配もしない。カメラも設置されていない。不審に思いつつもいつも通り印鑑押して帰ろうとすると、床に手書きの手紙とDVDが置かれていた。手紙には「必ず観てください」とのメッセージ。誰宛かも判らないが、同僚はDVDを持ち帰って自宅で観てみる。それが今回の投稿映像で、今まで同僚が配達する光景が映されていた。
    投稿映像。ドアを開けて入る同僚の姿。室内から印鑑を押して荷物を置いてゆくようにと女性の声がかかる(女性の姿は映っていない)。同僚は指示通り荷物置いて部屋を出ようとするが、ドアの前でもう一人の半透明の同僚の姿が浮き上がる。部屋を出てゆく同僚本体とは別に、半透明の同僚は部屋の中へ入ってゆく。
    別の日。いつも通り配達する同僚。映像がジャムりノイズが混じる。
    別の日。配達する同僚の身体から黒い靄が浮き出る。靄は画面いっぱいに広がる。
    別の日。映像にノイズが混じると同僚の頭部が消える。
    投稿者インタビュー。同僚がDVDを持ち帰った日から、この宛先への配達が無くなった。気になった同僚がこの会社を訪れるが既に空き部屋になっている。同僚はこの会社について管理人に聞いてみるが教えてもらえず、いけないことと知りつつ配達元のデータを参照。すると配送元も同時期に配達依頼が止まっていた。投稿者が同僚からDVDを預かってから2週間位後。同僚から「今度は配達先の人がしんだ」とメールされてくる。すぐに投稿者が同僚に連絡するが捕まらない。同僚は既にバイトを辞めており家にも帰っていない。そのまま失踪してしまった。
    [怖さ]★★★☆☆
    [グロ]☆☆☆☆☆
    [フェイク度]★★★☆☆
    [感想]タイトル凝ってる。つかみはおk。面白い趣向。映像の意図が掴めないシチュエーションもさることながら、さまざまな異変の総集編みたいだ。怖さは並ながらとても興味深かった。
  2. 赤い乗客
    [分類]心霊
    [概要]カップルが旅行中の電車内で撮影した映像。
    車窓から流れる風景を写真に納めている彼女を映す彼氏。トンネル内。ノイズに混じって彼女の背後に佇む赤い服の男。映像をスタッフが解析すると、電車が駅に到着する際、ホームに佇む似たような赤い服の男が映っていた。
    [怖さ]★★☆☆☆
    [グロ]☆☆☆☆☆
    [フェイク度]★★★★☆
    [感想]切り貼りしたような男は興ざめ。
  3. 超越と俗悪の関係
    [分類]オカルト
    [概要]中編。映像会社が万引き現場をテーマにして制作した映像。
    投稿者インタビュー。TVの実録犯罪ものとして制作したがお蔵入りとなった映像。神奈川県のスーパーで万引きGメンの女性に密着し万引き犯を捕まえる瞬間を撮ろうとする。店内に固定カメラ、万引きGメンの胸元に隠しカメラを設置。スタッフは営業の邪魔にならないように車で待機。
    投稿映像。スーパーを出て歩くサラリーマンを追う店員。店員は男をレジを通していない品物があるとして連れ戻す。スーパーの会議室では取った取らないの押し問答。店員が男の鞄を調べると未会計の商品が出てくる。会計を忘れただけと高圧的に逆ギレする男。素直に応じない男に対して警察を呼ぼうとすると、とたんに大人しくなって土下座する。投稿者曰くヤラセではないとのこと。
    店内で挙動不審な女性客の後をつける女性Gメン。万引き現場を確認した後、会計せずに外に出た女性客を捕まえ事務所へ連れてゆく。鞄を検めると万引きした商品。別途購入した商品を鞄に移しただけだと逆ギレ。警察に通報すると言っても、自分(万引き女)の親戚には警察の偉い人がいるとまくしたてる。結局警察に引き渡したようだ。
    店内を回るだけの女性に目をつける。女性Gメンが現場を確認し店外に出たところで捕まえる。無言のまま大人しく事務所についてゆく万引き女。取り調べるが女は終止無言。鞄を調べると中から未開封の包丁。問い糾すが女は無表情のままひたすら店員を睨み続ける。埒があかないので警察へ通報しようとすると、女が腕を上げ店員の男性を指差し中空に文字を書く仕草。口元は何か呟いているようだ。すると指差された店員が突然暴れ出す。唖然とする女性Gメン。店員は緩慢な動きでテーブルに置かれた包丁を開封すると、おもむろに女性Gメンの腹を刺す。Gメンの腹から包丁を抜くと、今度は自分の首に包丁を突き立てる。倒れる店員。女性Gメンも力つきて倒れる。万引き女は店を出てゆき行方不明。店員の男性は死亡。女性Gメンは重傷。警察は店員男性の突発的凶行として処理されたとのこと。
    この後、万引き女がスーパーから出てゆく所を映した固定カメラ映像。店内に姿を現した女がカメラを睨む。映像が乱れて鳥居の映像が割り込む。店内映像に戻ると女は消えていた。さらに鳥居の前で女が高笑いする映像が割り込んで終わる。
    [怖さ]★★★☆☆
    [グロ]★☆☆☆☆
    [フェイク度]★★★★☆
    [感想]これも凝ったタイトルで興味を引く(但し意味不明)。作りも凝っていて、よくあるTV番組で起きた不気味なこととして面白く作っている。首を刺した店員の出血量が少ないような気が。もっと派手にぷしゃーと血しぶきが上がっても良いのでは?
  4. 盗視者
    [分類]心霊
    [概要]赤ちゃんを囲んだ家族の映像。
    赤ちゃんの授乳風景。見守る家族。背後の襖の模様に眼が現れて瞬きする。眼の形で現れる霊は現世への執着が強いとテロップ。
    [怖さ]★★☆☆☆
    [グロ]☆☆☆☆☆
    [フェイク度]★★★★☆
    [感想]短編。マグロの眼パターン。まあ面白い。勿論笑えると言う意味で。
  5. 魔の領域
    [分類]オカルト
    [概要]中編。地方のTV局が制作した心霊番組の映像。
    投稿者のカメラマンにインタビュー。女の幽霊が出るとの噂がある山奥の神社でロケ。怖い場所で女性レポーターとディレクター(以下、D)の会話を撮影する企画。スタッフは女性レポーター、D(♂)、AD(♂)、投稿者であるカメラマン(♂)の4人。
    投稿映像。まだ明るい時間に現場到着。ロケ車内で女性レポーターが怖い話を披露。投稿者はその時点で違和感を感じたという。女性レポーターが披露した夢の話が、今後の出来事を暗示しているかのようだと。女性レポーターは自身の金縛り体験談をした後、昨日見た怖い夢の話をする。それは今日の撮影に関する夢。撮影中に幽霊が出てスタッフが襲われる。スタッフが1人ずつ消えてゆき、最後に彼女だけが山中に取り残される。その彼女も幽霊に殺されるという夢。と、ここでADの呼び声。見てみると道ばたにカラスの死骸。「ヤバいんじゃないの?」とD。
    夜になり撮影開始。鳥居を前に女性レポーターがこの地を紹介する。神社の中に入る。Dが女性レポーターに「子供の声が聞こえても反応しないように」と注意点を教える。と、カメラのライトが消え、すぐに点灯する。
    投稿者インタビュー。実はスタッフは女性レポーターの怖がる姿を撮りたかったために仕掛けを用意していた。冒頭のカラスの死骸やカメラのライトもヤラセだった。
    投稿映像(続き)。不安がる女性レポーター。そのとき山全体に「どーん」と爆音が轟く。地面も揺れているようだ。投稿者はこの爆音は仕込みではないと。そもそも地震など仕込める訳が無いと。他の仕込みは男性スタッフ全員がトイレに行くふりをして、女性レポーターを1人にして怖がる様子を遠くから撮影するだけとのこと。映像に戻り撮影は続行される。ようやく境内に到着。灯りなど無く一面闇。女性レポーターが参拝し一行は帰路へつく。男性陣3人が仕込みのトイレへ。1人取り残される女性レポーター。DとADがマジトイレ。1分ほど経過して女性の悲鳴。急いで女性の元へ戻る。しかし彼女は悲鳴など上げていないと。それどころか聞こえもしなかったと。男性3人は全員女の悲鳴を耳にしていた。
    ロケ車へと道を戻る一行。Dが途中で止まる。彼は「女性レポーターがこの地でやってはいけないことをやってしまった。このままじゃまずいので別の社へ1人でお参りしてこい」と言う。また、彼女の行為の何がまずいのかは「今は言えない」とのこと。戸惑う女性レポーターにピンマイクを着けると、彼女は暗闇の中1人お社へ向かう。実はこれはDの思いつき企画。なので彼女の行為は関係ない。Dは彼女を怖がらせるために、ロケハンで見つけた山奥のぼろい社に向かわせたかった。そんな「ボロ社」があった記憶も行った記憶も無く戸惑うADと投稿者。
    投稿者インタビュー。このDの発案自体がおかしい。彼女にカメラも持たせていなければ、カメラマン(投稿者自身)も同行していない。映像が無いので番組が成り立たない。意味不明。
    投稿映像に戻る。女性レポーターが出発してから5分ほど経過。彼女の悲鳴。彼女の後を追うスタッフ。彼女が向かった先は行き止まりになっていた。「社があったよね?」とD。「行っていない」と他のスタッフ。投稿者をその場に待機させてDとADが女性レポーターを探す。数分後。暗闇に彼女の姿が。投稿者が駆けつけるが彼女はいない。そして一面にカラスの死骸が散乱している。投稿者は一瞬自分がドッキリを仕掛けられたと思ったとのこと。にしても1人では怖すぎるので神社に戻る投稿者。境内でスタッフを呼ぶ。どこからかうめき声。社殿の縁の下からのようだ。床下にカメラを向けると、柱にもたれて座るADの背中。呼んでも応答しないので近くに寄ると、ADは首を括って絶命していた。呆然とする投稿者。ADの後ろからひょいと顔を出す女の顔。驚いて縁の下から表に出る投稿者。再びうめき声。逃げ出す彼の前にDの姿。声をかけてもDは答えず、何か呟きながらふらふらと同じ場所を回る。投稿者曰くロケ車の鍵はADが持っていたので、そのまま近所の民家に逃げ込もうとした。参道を走り車を止めた場所に戻ると、ヘッドライトを点けたロケ車からクラクション。車から「何してんの?」と近寄ってくるD。Dは撮影終わったから帰るよと投稿者に告げる。映像終わり。
    投稿者インタビュー。投稿者以外の3人はロケ車に乗っており、投稿者だけがトイレから戻ってこなかったとDに言われた。投稿者は3人が違う世界の住人じゃないかと不安になり、自分の体験を話すことが出来なかった。そして収録テープはADに渡して放送された。放送を観た投稿者。内容は彼が体験した内容とは異なっており、参拝後特に異常なく終わっていた。幻覚を観ていた?しかし映像は残っている。その後投稿者がTV局を退社する際、この撮影テープを探す。それが今回の投稿映像。投稿者の体験通り。一方放映された映像を探すが見つからなかった。D、AD、女性レポーターはこの撮影後半年以内に退社しており、その後は判らない。
    [怖さ]★★★★☆
    [グロ]☆☆☆☆☆
    [フェイク度]★★★☆☆
    [感想]よかった。荒唐無稽な話しながらストーリーは破綻していない。オチも考えられている。爆音はびっくりしてしまった。音量注意と言うことで。あとうめき声が不気味で頭に残る。

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