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放送禁止2 ある呪われた大家族 [DVD]
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制作年:2003年(日)
監督:長江俊和
収録時間:47分

カテゴリ:ホラー/フィクション

【総括】

シリーズ2作目。フェイクドキュメント作品。
TV番組用に大家族の生活を追った作品だったのだが、収録中にある事件が起きてお蔵入りとなったビデオを再編集した、としている。

冒頭のテロップで「細部まで目を凝らして観るように」と促される。
「おk」w
ということで目を凝らすように観ていたのだが、どうやらそんなに神経質にならなくてもよかったみたい。

あまりTVで「大家族」モノは観ないのだが、そういった番組特有の雰囲気で始まる。ナレーションもほのぼのとした音声でまたーりとした空気を助長する。でもやっていることはエグイ、みたいなギャップは楽しめるかもしれない。ホラーもグロもほぼ皆無。ド派手な演出こそ無いが微妙な寒気が残り結構好きなタイプだ。

【ストーリー】

8人家族の浦家をルポルタージュする番組映像。父を中心に貧しくとも和やかな家族。そんな家族にゆっくりと災いが降りかかってゆく。

※「続き」にネタばれ

【感想】

『他人(ヒト)の不幸は蜜の味』といった感覚なんだろうか?
大した盛り上がりもなく淡々と話が進んでゆくのだが結構見入ってしまった。まあ中ほどあたりでオチの予想がついてしまったのは残念かな。また、せっかくオカルトを盛り込んでいるのに効果的に使えていない感じ。まあこれは時間(放送枠)の都合なのかもしれない。
サブタイの「呪われた」も微妙か。観終わってみると、ある意味「呪い」や「呪縛」とも取れる。が、ストレートな「呪い」ではなかった。

あとお父さん役が大地康雄さんみたいだった。

【評価】

総合評価:★★★☆☆(3.0)

  • 面白さ:★★★☆☆
  • ホラー度:★★☆☆☆
  • グロ度:☆☆☆☆☆
  • サイコ度:★★☆☆☆
  • ミステリー度:☆☆☆☆☆
  • サスペンス度:☆☆☆☆☆
  • アクション度:☆☆☆☆☆

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【シリーズ過去ログ】

(続き)ネタばれ






【小ネタ】

確かに小ネタは仕込んである。ただそれは心霊的な要素では無い。スクリーンを「変なモノが映っていないか」とか観ていた自分にちょっと照れる。

【浦家の方々】

埼玉県所沢市三上町に住む浦さん一家。

  • 父:敬一郎(46)
    大工、2年前に仕事中に梯子から転落して負傷。現在休職中。
  • 母:司(38)
    パートで家計を支えている。
  • 長女:林檎(18)
    高校生3年生、国立の薬学部目指して受験勉強中。
  • 次女:蜜柑(17)
    高校生。
  • 長男:豪毅(16)
    高校生、野球部、あだ名はジャストミート(ここは笑っていいトコロなのか?)
  • 次男:隆太(11)
    小学5年生
  • 三女:梨枝(9)
    小学3年生
  • 四女:檸檬(6)
  • 四男:団(5)

総勢9名の大家族。
三男の鷹治が1年前に事故死、近所の川で溺死している(享年9歳)。
あ。あと、ぬこのエンリケ。

浦家の一日は毎朝家族全員のラジオ体操から始まる。

【最初にキレる父】

ある朝、長女の林檎がラジオ体操に出ず、朝食にも遅れてきた。最初は和やかな食卓。
しかし突然父がキレる。
林檎の髪の毛を掴んで隣部屋に連れ込み折檻。凍りつく、というかやるせない表情を浮かべる兄弟。涙ぐむ母。キレた理由は判然としない。しばらくすると父が食卓に戻り、何事もなかったように食事を再開する。少し遅れて林檎が口元から血を流し、泣きながら席につく。
⇒突然キレる父。観ていてそんな雰囲気はあったので、あまり驚くことはなかった。これで父が癇癪持ちであり、家族に暴力を振るっていること、そしてそれが父を除いた家族全員の悩みであろうことが判明。

【浦家に続く不幸】

団や梨枝がよく怪我を負うらしい。父の体調も思わしくないようだ。
⇒一連のケガは事故なのか?それとも父親の癇癪に巻き込まれたのか?といった疑惑。

【鳥居の写真】

ある日ポストに写真が放り込まれていた。鳥居を映した写真で、柱に不気味な顔が浮かび上がっている。気味の悪い写真で、母は破棄するが何度も浦家に舞い戻ってくる。三男が事故死した時も同じ写真が浦家に来ていたようだ。
⇒なんか見たことのある写真だ。

【除霊】

写真を怖がる母は、夫の反対を振り切って除霊を依頼する。霊能力者:峰紫苑(♀)。除霊には父を除く家族全員が出席。
除霊中、林檎の様子が急変。奇声をあげながら苦しみ出す林檎に霊能力者は集中して祝詞をあげる。やがて気を失う林檎。
件の写真を焼いて除霊終了。林檎は何事もなかったように気付く。
⇒このシーンの意味が良く判らん。結構時間を割いているが、そのくせあまり重要な場面では無かった。除霊の現場の凄さを表現したかったのだろうか?ぶっちゃけ不要。

【父親行方不明】

父か家に帰ってこないことがスタッフに伝わる。そして浦家に再び鳥居の写真が戻ってきていた。

【違和感】

行方不明となった父が、日常的に家族に暴行していたであろうことが画面を通して見えてくる。そして父をどうしようと考えているかも。

  • 梨枝の家族の画に父が描かれていない。理由を問うと「もうすぐいなくなるから」。
  • 朝食で毎度出てくる父向けの肉のつくだ煮。団が欲しがりもらいに行こうとするが、母が厳しく制止する。家族の父に向けるまなざしが重い。
  • 受験勉強中の林檎。開いているページには「ヒ素化合物」。
  • 子供たちの寝室に貼られた絵。
    「パパはだんをなぐった」
    「パパはこどもがきらい」

【エンディング】

父親の失踪から1ヶ月。父は行方不明のままだが、母を中心に元気にラジオ体操する一家。心なしか表情が明るい。元気に体操する傍ら。庭にひっそりとエンリケの墓が立っている。

カメラは子供部屋に移る。床に子供たちの書いた絵が散らかっている。そこには
「パパは子どもがきらい」
「パパはみんなをなぐる」
「パパは子どもをころす」
「そんなパパをママはきらい」
「おばけなんかいない」
「ママ、しゃしんはいっぱい」
「ママがパパのはしごを倒した」
「ママとおねえちゃんがどくをいれた」
「おにいちゃんがパパをジャストミート」
「パパとエンリケはいっしょにてんごくにいった」

⇒結局父の暴力に耐えかねた家族が団結して父を殺した。そしてその原因を心霊写真に被せた。というお話のようだ。

【うーん】

善悪や真偽はさて置き、父親が可哀想になってきた。家族全員(母と子供7人)から殺してしまいたいと思われているって。そーいえば、子供が積極的に父と会話しているシーンってほぼ無い。いつも猫のエンリケをじゃらしている姿は寂しく映った。

以上です。