201110_cris

クリスチーナの館 [DVD]
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制作年:1999年(米)
制作:マーク・ヴィクター、マイケル・グレイス
脚本:スチュアート・アリソン
監督:ギャヴィン・ワイルディング
収録時間:97分

カテゴリ:ホラー/サスペンス

【キャスト】

  • ジョン・サベージ
  • ブラッド・ロウ
  • ブレンダン・フェール
  • アリソン・ラング

【総括】

家系のホラー映画。サイコサスペンス要素が濃い作品。

97分あるが小まめにネタを仕込んであって飽きることなく観ることが出来た。主人公クリスチーナ(以下クリス)を中心としてさまざまな異変が起きる。徐々にエスカレートしてゆく展開は王道なんだろう。そしてオーラスの種明かし。うーん。うまく作っていると感じた。

ホラー的な表現は若干控えめで、グロもそんなに酷いシーンはないかと。あと、お色気シーンあります。まあサービスショットみたいなもんですけど。

【ストーリー】

小さな田舎町アバドン。母親の入院先である彼の地に、高校生のクリスは設計士(?)の父親:ジムと弟:ボビーと3人で引っ越してきた。ボーイフレンドも出来て多感なお年頃のクリスは、自宅で不審な物音を耳にするようになり、家族以外の何者かが存在してる気配を感じるようになる。やがてそれは確信に変わり。。。

※「続き」にネタばれ

【感想】

視聴後いくつか疑問(違和感?)も残るのだが、それを感じさせない仕上がりだと思う。なにせ冒頭から要所要所に演出が施されているので、違和感を感じる間を与えないようにしているともとれる。そしてそれは成功していると感じた。

また序盤で大まかな登場人物の説明もされるので混乱も少ない。改めて「出来た作品」ってさりげなーくキチンと人間関係を説明するもんだなと思った。無骨な父親や軽薄な彼氏も自然に受け入れられる。出演者に共感できると観ていて飽きないもんだ。

犯人はオカルトでなければクリス周辺の登場人物(男性)に自然と絞られるわけだが、なかなか的を絞らせない感じ。あまり書くとネタばれになってしまうので割愛するがラストの捻りは良かった。

【評価】

総合評価:★★★★☆(4.0)

  • 面白さ:★★★★☆
  • ホラー度:★★★☆☆
  • グロ度:★★☆☆☆
  • サイコ度:★★★★☆
  • ミステリー度:★☆☆☆☆
  • サスペンス度:★★★☆☆
  • アクション度:★☆☆☆☆

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(続き)ネタばれ






【冒頭】

のどかな風景の中、一軒の家を訪れる一人の少女。手にはクッキーのケース。呼び鈴を鳴らし出てきた男に笑顔で寄付をお願いする。しかし男は有無も言わさず少女の首を絞められて連れ込んでしまう。

⇒冒頭のドッキリシーン。つかみはおk。とまあここでほぼリアル系ホラー(要は心霊や悪魔などのオカルトではないホラー)であり、「犯人」は男性なんだろうとインプットされる。

【登場人物】

  • クリスチーナ(以下クリス):主人公、17歳
  • ボビー:クリスの弟、14歳
  • ジム:クリスの父親、設計士?
  • エディ:クリスの彼氏、17歳
  • ハウイ:ジムの工務店に勤めている男
  • カレン:クリスの女友達
  • ミシェル:エディの元カノ、クリスの同級生
  • 保安官(♂)

【異変】

  • 2階バスルームの天井から物音
  • 自室の窓枠に食べかけのクッキー(直後エディが現れるので彼の食べ残しかもしれない)
  • 屋根裏部屋の灯り(エディが目撃)
  • 作った覚えのないサンドイッチ
  • クリスの日記紛失⇒ミシェルが見つけて返す
【保安官登場】

カレン、ボビーと共に帰宅したクリスの元を保安官が訪れる。手には(冒頭の)少女の写真。行方不明だそうだ。3人とも見覚えが無いと答える。保安官は連絡先を手渡して家を後にする。

⇒この保安官も胡散臭そう。偉そうで冷徹な態度。有無を言わさず家に入り込むと、勝手に冷蔵庫を物色しているし(捜査なのかもしれないが)。犯人候補。

【ジムの挙動】

キッチン(兼ダイニング)には父のジムと2人。夕食の片づけをしているクリス。ジムは席を立つとクリスの背後に立ち「綺麗だ」と告げる。気まずい雰囲気のクリスは、ジムに手紙が来ていると言う。手紙は家の大家から来た家賃未払いに対する立ち退き要求だった。既に払い込みは済んでいるとジムは憤り、大家のフォックスに電話する。

⇒他にバスルームにクリスが入っているにもかかわらず、突然ジムが入ってくるシーンがある。それと併せてジムがクリスに抱く感情に不自然感(親子以上の何か)がでてくる。犯人候補にジムも入る。

【ミシェル】

クリスはエディ(彼氏)をジム(父親)に紹介すべく(?)夕食に招く。しかしエディはジムの不評(理不尽な怒りとも言う)を買ってしまい追い出される。外にはエディから「クリスと別れた」と書かれた手紙を手に、エディの元カノのミシェルがいた。エディに未練(というよりクリスに対する嫉妬か?)を残すミシェルは、薄暗い庭(結構広い)でエディの声を頼りに姿を探すのだが、突然何者かによって木陰に引きずり込まれてしまう。

⇒ミシェルたん死亡フラグ。

【屋根裏部屋】

その夜、クリスはベットで日記を書いていると天井から不審な物音を耳にする。前から気になっていた屋根裏部屋へ行こうとするが、ジムに見つかり咎められる。翌朝(?)ハウイが訪れてクリスと一緒に屋根裏部屋へ(ここでクリス一家が2年前に母親の入院のためにロスから引っ越してきたことが判明)。ネズミに驚くクリスをハウイが軽く抱きとめる。そこに階下からエディが現れてクリスとハウイの仲を誤解する。

⇒まずハウイ。結構な頻度でクリス宅を訪れている。当然犯人候補。
⇒次にエディ。なんでこの場にエディが来たのか。微妙な不自然感が残り彼も犯人候補。

【ミシェル死亡】
クリスの家の庭で日光浴するクリスとカレン。話はエディとクリスの仲が学校で話題になっていることだ。水を撒いていたボビーが小川(茶色く濁った水たまりみたいだが)で不審物を見つける。カレンがそれを引き揚げるとミシェルの死体だった。

保安官がクリスに詰問する。傍らにはカレン、ボビーと共にエディもいた。そこにパトカーを見かけて心配になったとハウイが現れるが、出てきたエディに門前払いされる。
一転してハウイの仕事姿。いきなり現れたエディがハウイに殴りかかる。エディはハウイに馬乗りになりクリスから手を引けと殴りまくる。ハウイがジムの工務店に勤めているらしいことが判明。

【クリスの日記】

クリスが寝ていると物音に目覚める。時刻は3:27。しまってあった日記が無いことに気付くクリス。寝ているボビーに日記を返せと迫り、喧騒を聞き付けたジムに止められる。3人がクリスの部屋に戻ると無かったはずの日記が出てくる。

⇒クリスの周りで起きる異常が顕著化してくる。そしてクリスは家族では無い誰かが家に居ると確信するようになる。

【カレン失踪】

ジムの発案でクリスの誕生パーティー。エディとクリスが2人で屋根裏部屋へ。いい感じ。そこにジムが現れて中断。気まずい雰囲気にエディは退散。ジムはクリスに下に戻るように言いつけ屋根裏部屋への階段を収納する。ふと傍らに白いプレゼントボックスがあることに気付く。中にはネズミの死体。

誰もいなくなった2階。酔ったカレンが屋根裏への階段が降りていることに気付く。ふらつきながら階段を上がるカレンは、そのまま何者かに屋根裏部屋の暗闇に引きずり込まれる。屋根裏部屋に灯りが灯る。

【警告】

その夜クリスが寝ているとジムに起こされる。ジムはカレンが帰っていないと告げる。再び寝ていると今度は物音。ドアの隙間から廊下に灯りが付いていることが見えた。起き上がったカレンは自室のドアに椅子が立てかけられていることに気付く。椅子には「この家を去れ」のメッセージ。驚くクリス。ジムの寝室は空。ボビーを起こして逃げようとする。2人で自室(クリスの部屋)の前を通ると椅子は元の位置に戻っている。

明けて保安官3度。ジムと話す保安官は「この家の周囲があやしい」と。

⇒無理のないストーリー展開。

【母親のお見舞い】

母親の入院先(精神病院)を訪れるクリス。声をかけるクリスにソファの隣に座るよう笑顔で促す母。クリスが「入院する前に変わったことは無かったか」と問うと、「パパを見張るのをやめた」と母親は言う。そこに看護師が来る。クリスは看護師に対して母親が自分と全く同じ応対をすることに悄然としてその場を立ち去る。

【犯人候補】

ここまでで約1時間。
犯人の本命はジム。対抗でハウイ、エディ。一歩遅れて保安官。大穴ボビーといったところか。

【急転直下】

クリスが1人で家に居ると物音。バスルームに行くと窓が開かなくなっている。どこからか音楽が聞こえてきた。自室に戻るとラジカセが無くなっている。開けられた窓からも音楽。クリスは屋根裏部屋へ行くとラジカセが置かれていた。急いでラジカセを持ち帰るクリス。自室に戻ると窓は閉じており、さらに開かなくなっている。階下に駆け下り外に出ようとするが玄関が開かない。そこに裏口から入ってきたとエディが登場。裏口に行くが扉は閉まっておりどうやっても開かない。エディは窓を割ろうとするが、ヒビが入るだけでビクともしない。電話も切られている。ボビーに地下に隠れるように促すクリス。そして外には保安官が見張っていた。

【犯人】

ハウイ。

ジムは大家(フォックス)の元を訪れて、家賃滞納が誤りであることを確認する。併せて紹介されたハウイが良く働くと感謝するが、フォックスは怪訝そうにハウイなんて男は知らないと告げる。
両手の指を使い、1人会話するハウイの姿。

⇒ここまでで約70分。残り時間を考えるともうひと波乱ありそうな予感。

【エディ死亡】

2人の前にハウイが現れる。エディはハウイを殴るが微動だにしない。逆にエディの首を締め付け、彼の側頭部に金づちを打ちこむ。エディ死亡。

バスルームに逃げ込むクリス。ハウイは口笛を吹きながらドアノブ自体を取り外しにかかる。現在6:25。ジムの帰りまであと5分だ。

⇒ハウイの顔つきが不気味。

【ジム到着】

ハウイはクリスの部屋のクローゼットの中の隠し通路から隠し部屋に入る。いろいろな機械が仕掛けられている部屋。ジムが帰宅するがドアが開かない。ハウイがある機械を操作するとドアが開く。家に入るジムはハウイの仕掛けた落とし穴に落ちる。穴には鋸状の歯が仕掛けてあり血まみれになるジム。

【ハウイの目的】

クリスを屋根裏部屋へ誘い込むハウイ。ハウイはクリスの母親と知り合い、母親に代わって守りに来たのだと告げる。傍にはカレンともう一人(たぶん冒頭の少女)の死体。
そこにボビーに助けられたジムがやってきてハウイを殴り飛ばす。しかし逆にジムもハウイに刺されて返り撃ち。

⇒理由はイマイチ釈然としないのだが、ハウイの異常性がそれを上回ってあまり気にならない。

【クライマックス】

ハウイを殺す決意をするクリス。クリスは追ってくるハウイを、ジムを嵌めた落とし穴に落とし、その上からクローゼットを落とす。ハウイ絶命(たぶん)。クリスの母親の笑顔。

【ラスト】

ジムを見舞うクリスとボビー。ジムは一命を取りとめたようだ。傍らには保安官の姿。クリスは保安官からハウイが年初に(精神病院を)退院していたことを聞く。気丈に振舞うクリスは、ボビーと一緒に「我が家」に帰る。

一方、母親の入院先。手続きを終えてある男性が退院するシーン。男性がふと目を向けた先にクリスの母親の姿があった。目が合う2人。魅入られるように母親を見つめ返しながら男性は退院してゆく。残された母親の邪悪な笑顔。そしてクリスの家の屋根裏部屋にまた灯りがともる。終劇。

【残る違和感】

最大の疑問は何故クリスなのか?
なぜハウイは執拗にクリスを狙うのか?母親の手引き(暗示なのか呪いなのか判らない)により、「誰を見張って」いたのか?
夫であるジムがクリスを1人の女性と見ていることに対する女としての嫉妬とみるのが一番自然か。

次にこれだけ大仕掛けのカラクリを施されたらさすがに気付くだろう。特に落とし穴なんてカーペットを切った跡があるし。ジムは設計技師のようだし。気付かないうちに、いつの間にか自分の家がカラクリだらけになっているっていうのは強引か。

以上です。