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トラウマQ 笑ふ生首 [DVD]
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制作年:2011年(日)
監督:長江俊和
収録時間:43分

カテゴリ:ホラー

【総括】

1本の謎の動画を調査するドキュメンタリータッチのフィクション(フェイクドキュメント)。

パラノーマル・アクティビティ第2章/TOKYO NIGHT』、TVシリーズ『放送禁止』を手掛けた長江俊和監督の作品。映像特典として長江監督のインタビューが収録(約10分)。先にこちらを観てからでも楽しめるのではないだろうか。また僕は『放送禁止』をまだ観ていない。これを機に観てみようと思う。

冒頭のナレーション。「都会の隙間にある見てはいけないもの、触れてはいけないモノを映した映像をトラウマ映像という」。まあ「トラウマ」の使い方に軽く違和感を感じるが、そのように定義するのであればそれで良いか。中身はサイコ色の濃いホラー作品。グロさもかなり抑え気味だと感じた。DVD化であれば、もう少しグロくても良かったのではないかと思った。

【ストーリー】

ネット上に散見する不気味な映像。それは誰もいない和室の映像であり、開かれた押入れから女性の生首が転げ落ちる。目を見開いてうめき声をあげる生首。スタッフはこの映像について調査を開始する。

※「続き」にネタばれ

【感想】

主題である生首映像。初見ではチョットビックリしてしまった。のだが前半部分は結構退屈。調査過程を盛り上がりも無く淡々と進行する。全体でも40分ちょいなので耐えられない長さでは無い。

詳細はネタばれになるので控えるが、ラストに向かい反比例して盛り上がりを見せる。前半の退屈さを我慢した甲斐があるというもの。欲を言えばラストの中でもチョット弛む部分があった(緊張の糸が切れるというか)。あそこまできたら怒涛のごとくフィニッシュを迎えて欲しいと感じた。

映像特典で監督が「怖いだけでなく驚愕をテーマ」にしていると語る。怖さの面はまずまずだが、驚愕というと少し物足りない。途中でオチが推測できて、進むにつれそれが確信に変わってしまう。時間的な制約はあると思うが、もう一つ捻りを入れると満足できたかと思ってしまう。また、映像の前半にも伏線を張っているとのこと。これから視聴する方は細かい所を良く観てみてください。

続編も出るようですね。フェイクはフェイクと割り切っているところは気持ち良い。時間も手ごろなので借りようと思います。

【評価】

総合評価:★★☆☆☆(2.5)

  • 面白さ:★★☆☆☆
  • ホラー度:★★★☆☆
  • グロ度:★★☆☆☆
  • サイコ度:★★★★☆
  • ミステリー度:★☆☆☆☆
  • サスペンス度:★☆☆☆☆
  • アクション度:☆☆☆☆☆

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(続き)ネタばれ






【画像解析】

生首映像について、スタッフはまず映像解析の専門家を訪れる。そこでビデオテープは1990年代に撮影されたことが判明。さらに映像を鮮明化することで、和室にかけられたカレンダーが1992年であることが判る。また、生首の唇の動きから何を話しているのかを調べたが、母音のみの抽出で何を話しているのかは判らない。ただ音声はカメラのマイクで収録された音であること、映像がCG処理で作られたものではないことが判明する。

【現地へ】

山梨県S市。カレンダーに印刷された「若尾寝装店」を訪ねる。店主に部屋の写真を見せるが場所の特定は出来ず。しかしある話しを耳にする。20年程前に街で頭部切断事件があったこと。被害者は荒木静子という女性。犯人を捕まえることができないまま事件は迷宮入り。

【事件の調査】

事件を担当した元刑事の元を訪れる。事件ノートを見せてもらうと、被害者とビデオの生首の女性とが酷似していることが判る。当時静子は弟と二人暮らし。郵便局員の彼氏と結婚を近々結婚する予定だった。弟、元カレ共に現在の所在は判らず、調査はこのまま手詰まりとなる。

【進展】

スタッフの元に差出人不明のビデオテープが届く。2000/4/10の日付けが書かれたテープには何らかのインタビュー映像が収められていた。以降ビデオテープに収められた映像。

【ビデオ:弟】

ビデオは事件について被害者の弟がインタビューを受けている様子を収めた映像だった。優しかった姉を思い出すように語る弟。と、弟が衝撃発言。「殺人犯を知っている(憶測だけどw)」。また事件前、姉が「尾行されている」と怯えていたことを語る。犯人は街でも有名な変質者であり、家も知っていると。映像スタッフに対して「案内しましょうか?」と弟。
⇒ここまでは淡々と進行する。なんぞのワイドショーを観ているみたいな感覚だ。

【ビデオ:屋敷】

弟に案内されたのは庭の広い大きな2階建ての一軒家。「入ってみますか?」と言って、勝手に玄関を開けて土足のままズンズン進む弟。躊躇する映像スタッフに「誰も住んでいないから土足で大丈夫」と弟。二階に上がると、そこは生首ビデオの部屋だった。
⇒不在とはいえ他人の家に平気で土足で上がる弟の言動。最初は「あれっ?」って感じだったが、弟の言動が微妙にズレてくる。
⇒あとなんか音声が被っている???和室で会話する後ろに何か音声が入っているように聞こえた。

【ビデオ:告白】

弟の証言がだんだん具体性を帯びてくる。
「ここで姉の首が切り取られた」
「絶対に許せない」
映像スタッフは何か痕跡、確証はあるのかと質問するが弟は答えない。
「姉を愛している」
「ここは二人の思い出の場所」

そして。

「寝ているときに首を切った」と笑いながら言う弟。
殺したのかと問う映像スタッフに、弟は驚いたように「姉は生きている」と返すと、おもむろに棚にあった斧を振りかざし襲いかかってきた。逃げるスタッフ。
⇒この弟の言動のズレが、徐々に狂気に変わってゆく様は良かった。

【ビデオ:ラスト】

家に隣接している納屋(ガレージ?)に逃げ込む映像スタッフ。その中に置かれた収納庫?を開けると、そこには静子の生首が祭られていた。目が開き唇が動く生首。驚愕する映像スタッフの背後に斧を構えた弟がいた。弟は最初に音声、次はディレクター?、最後はカメラマンを斧でメッタ切り。カメラのフレームに飛び散る血。後ろで大声で笑う生首。ここでビデオの映像は切れていた。
⇒肝心の部分(弟が斬りかかる瞬間)は映さないのね。

【後日譚】

スタッフがテープを手掛かりに件の廃屋を探すが、既に更地になっていた。姉弟は未だ不明のままだそうだ。

以上です。