201108_sukima
隙魔-すきま-幽霊団地 アンビリーバブル版 プロデューサーズカット [DVD]
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制作年:2011年(日)
監督:中田圭
脚本:林民夫
収録時間:117分

カテゴリ:ホラー

【キャスト】

  • 野村恵理
  • 山口美也子
  • 米里友利
  • 宇佐美なな

【総括】

収録時間は117分と長めだが、映画本編が約60分、特典映像が約60分の構成となっていて、観ていて長いと感じることは無かった。ポイントは特典映像が映画のメイキングとしつつも、撮影にまつわる怪異をドキュメントとしてまとめた所だろう。本編に続けて視聴することを推奨したい。

【ストーリー】

団地と団地の間の隙間にまつわる噂(都市伝説的なお話し)。噂は詳細に説明されないが、大枠次の通り。
その団地で後ろから背中を叩かれて(声をかけられて?)も、「立ち止まってはいけない」「振り向いてはいけない」「その後鏡を見てはいけない」。その場で振り向くと3日後に死ぬ。過去に団地と団地の間に落ちた小学生の女の子の怨念によるもの。

ある日団地の住人である高校生のルミは、人の気配を感じて思わす振り向いてしまう。ルミと一緒にルミの高校のサエコ先生、団地で迷子になった小学生ユキちゃん、サラリーマンの男性の4人が振り向いてしまった。
その日からルミの周りで不可解なことが起き始める。やがてサラリーマンの男性がルミ達の目の前で屋上から飛び降りてしまう。

※詳細は「続き」にネタばれとして紹介

【特典映像】

こちらもネタばれ部分は「続き」に書く。撮影現場を襲った不可解な出来事。メイキングスタッフはその出来事を追跡すると、ある関係者に突き当たるのであった。

【感想】

まず本編。日本的なじわっと来る怖さがあり、そういった怖さのツボは得ている。タイトルは「すきま」としているが、それ自体に重要な意味は無いと感じた。あくまで恐怖を煽るため、もしくはきっかけとしてのアイテムでしかないと思う。物語は主人公ルミの視点で進む。観ていると夢(妄想)と現実の境目、いったいどちらが狂っているのかが判らなくなってくる。果たしておかしいのはルミを通して観ている視聴者なのか?それともルミ(視聴者)の周囲なのか?徐々に狂いだす歯車が60分で簡潔にまとめられていると感じた。「隙間」が恐怖の象徴としてインプットされてゆくアイデアは良かったと思う。欲を言えば効果的に使って欲しかった。タイトルなんだし。
ラストの曖昧さもちょうどいいと感じた。詳しくはネタばれとなるので控えるが、ルミの存在自体を否定するような曖昧なエンディングだ。まあこれはこれで良かったと思わせてくれるのだが。

続いて特典映像。まず話しのテンポが良い。撮影開始後の出演者に起きた不思議な出来事を収録していて、本編を見た直後の所為か引き込まれた。ただここでも「隙間」が関係ないのは少し残念か。何れにせよ、本編から続きで視聴することを強く推奨します。

【評価】

総合評価:★★★★☆(4.0)

  • 面白さ:★★★★☆
  • ホラー度:★★★★☆
  • グロ度:★☆☆☆☆
  • サイコ度:★☆☆☆☆
  • ミステリー度:☆☆☆☆☆
  • サスペンス度:★★☆☆☆
  • アクション度:☆☆☆☆☆

評価は本編のみ。ただし特典映像まで観たあとに採点した。

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(続き)ネタばれ






【隙間】

隙間ネタが散りばめられる。ただしあくまでアイテム的な取り扱い。

  • 商品が偶然カバンの「隙間」に入り万引きに間違えられる
  • お菓子がピアノと床の「隙間」に転げ落ちる
  • クローゼットの扉が少し開いて「隙間」が出来る

タイトルからはもう少し別の展開を予想していた。被害者が「隙間」に引きずり込まれるといったオチである。結局予想は外れたのだが、「隙間」を使った怖さを煽る演出は効果的だった。

【ルミ0日目】

振り返ってしまったルミの初日。万引きの誤解を受ける。しかしサエコ先生、友人、母親はルミを信じて決して疑わない。
夜になり、不意に耳鳴り(?)がルミを襲う。音に魅かれるように屋上へ行くと、サエコ先生、ユキちゃん、サラリーマンの男性も居た。サラリーマンはそのまま飛び降りてしまう(映像なし)。警察を呼ぶが遺体は発見されず悪戯と思われてしまう。

【ルミ1日目】

朝になり起きると母親の様子がおかしい。明らかにルミに対して冷たい態度を取る。家具の配置も異なっていた。登校すると友人の態度も冷たいモノとなっていた。徐々に周りの自分を見る目が敵意を持ったものに変わってくる。下校すると家にピアノが無くなっている。母親に聞くと廃棄したと。何故と詰め寄るルミに、昔からピアノの音が大嫌いだったと言われる。ルミはこのことを単身赴任中の父親に電話するが、実は両親は離婚していた事実を告げられる。

ここら辺りから観ていて物語の中の現実と夢との境が曖昧になってくる。これはルミの夢(妄想)なのか?それとも現実なのか?

【ルミ2日目】

友人たちから孤立してゆくルミ。サエコ先生の様子もおかしい。先生は団地の隙間に関わる噂を調べた。それは、10年前に団地の間(隙間)に母親に突き落とされて死んだ少女、ナナミ(当時6歳)の怨念によるものだった。サエコ先生が血まみれの爪を噛む姿が不気味。突然走り出した先生は道路に飛び出して車に轢かれて死亡。

【ルミ最終日-ラスト】

ルミは団地の公園で一人で親の帰りを待つユキちゃんを見かける。ルミはかなりやつれてきている。ユキちゃんはあれから「いつも後ろに誰かいるような気がする」とルミに告げる。ユキちゃんと一緒にを自宅に帰ろうとするが、団地の中で自分の家が判らなくなる。
自宅に帰り、洗面台で手を洗いながら「怖いことなんか何一つない」と自分に言い聞かせるように繰り返し呟くルミ。ふと洗面台の鏡を見ると後ろに少女の姿が。ユキちゃんを後ろから抱き締めるルミの頭にナナミと自分がフラッシュバックする。

万引きした自分、
サラリーマンを団地の屋上から突き落とした自分、
サエコ先生を車に向かって突き飛ばした自分、

ユキちゃんはルミの手を振りほどいて逃げる。残されたルミは屋上に上がると、ナナミと対面する。ナナミの手を取るとルミは屋上から飛び降りる。

【ルミは】

いったい何なのか?

ラスト直前にルミの母親の独白(?)シーンが入る。誰もいないルミの部屋に向かって母親が話しかけるのだ。まるで答えるかのように「誰もいない」ピアノの椅子がひとりでに倒れる。

ルミ=ナナミと取れるシーンがカットインされる。ルミはナナミの残留意識(怨念ともいう)なのか?それともナナミに取り憑かれただけなのか?シーンからは前者ととる方が自然な感じはする。

【特典映像なんですが】

最初に書いちゃいますね。

これってフェイクドキュメントと思われる。

最大の理由は、特典映像終了後に「これはフィクションです」とテロップされることろ(笑)。

最初の方はガチ映像だと思っていたのだが、その他にも、出演者の顔出しおkが多い、取材地のモザイクが少ない、芝居がかったインタビュー、徐々にアレって思ってしまう。極めつけは車で電柱に激突して即時したとあるその電柱が無傷であることかな。

【特典映像:出演者の体験談】

  • 音声スタッフ
    誰かの声がマイクを通して聞こえる
  • ルミ役の野村恵里さん
    寝ていると水音が聞こえた(後ろから大きなくしゃみw)。明かりをつけた瞬間に音が消えた(うしろから拍手www)。
  • 母親役の山口美也子さん
    背中が重い
  • ユキちゃん役の小倉唯ちゃん
    テーブルの上に置いた携帯が無くなっていた
  • 高松サエコ役の米里友利さん
    台本もらった時から乗り気ではなかった(嫌だった)。家にいると音が鳴る。カーテンが閉まっているのにみられている気がする。寝ていても重い(眠れない)。現場では見えないが気配がして寒気がする。もともと霊感が無かったのに台本もらってからおかしい。

【特典映像:スタッフの体験】

  • スチールカメラに男の横顔が撮られる
  • 予定表のコンビニ店長(ルミを捕まえる役)欄に、作った覚えのない「首」の文字がびっしり書かれる
    >これは店長役の方は嫌だろうなぁ
  • 店長役の七世一樹さん
    熱が出たままの初日
  • 体調不良のスタッフ続出
    予算削減のため御祓いしていないそうだ
  • 撮影助手の女性失踪

【特典映像:映り込んだモノ】

夜の団地の屋上シーン。誰もいない場所を横切る黒い影が映される。

>ここら辺まではガチだと思っていた。

【特典映像:撮影助手現る】

失踪していた撮影助手に連絡がつく。早速取材。彼女は霊感が強くて「見える」人のようだ。曰く「黒い影がずっと現場にいた」「たぶん男」「顔は真っ暗で見えない」「撮影が進むにつれて近ずいてきた」「しばらく寝込んでいたが、寝ていると横にいる感じがする」「話しかけてきた」だそうだ。

【特典映像:プロデューサーO氏】

唯一顔出しNG。取材するも激しく拒絶。

仕方なくO氏の知人大山氏に取材。O氏の作品で3年前助監督の村上氏が交通事故で死亡したことが判明。どうもO氏の嫌がらせ(パワハラですね)を受けていたようだ。

>大山氏の態度、語り口、表情がやらせっぽく感じるのは僕だけか?
>これでフェイクだと確信した。

【特典映像:故村上氏の両親に取材】

両親も顔出しおk。O氏に不満をぶつける両親。プリントアウトした黒い影を見せる。「息子です。間違いありません」と母親。

>客観的に観てあの影から息子と断定できる要素は無いと思う。O氏はかなり悪モノだ。

【特典映像:プロデューサーO氏再び】

事務所を訪れるが、O氏は一昨日に事故死していた。

【特典映像:まとめ】

メイキングスタッフは黒い影は故村上氏だろうと結論。その映像。ミーティングコーナーのパーテションの上から除く顔。

>フェイクであろうが、それでも映画と一緒にみると面白い。映画と一緒に観て楽しむパートだと再認識した。

以上です。