制作年:1999年(米)
原題:The Ninth Gate
原作:アルトゥーロ・ペレス・ポランスキー
脚本:アンリック・ユルビズー
監督、制作:ロマン・ポランスキー
音楽:ヴォイチェック・キラール
収録時間:133分
カテゴリ:ホラー/サスペンス
【キャスト】
- ジョニー・デップ
- フランク・ランジェラ
- レナ・オリン
【総括】
監督はローズマリーの赤ちゃんのロマン・ポランスキー。ジョニーデップを主演に配した10年以上前の作品。ポランスキー監督の手によるローズマリー同様の悪魔系オカルトホラー作品として期待していたのだが、2時間超の作品のためしばらく放置していた。
観終わってみると、なんか「普通」だった。
全体的に直接的な表現が無く、また、映像・音楽が陰鬱なストーリーを冗長している。ここら辺はポランスキー映画だなぁと感じたのだが、ラストに進むにつれ怖さの密度が薄くなってきているように思える。なんか話を急ぎ過ぎているような感じ?
ホラーカテゴリなのだが、サスペンス色が濃く出た作品だと感じた。
まあジョニー・デップは終始カッコ良かったです。何をやらせてもサマになる役者さんだなぁ。
【ストーリー】
古書籍商(?)のコルソは、悪魔系の古書をコレクションしているバルカンから悪魔召還の書「ナインスゲート」の蒐集を依頼される。「ナインス・ゲート」は世界に3冊しかなく、1冊はバルカンの手元にある。残る2冊の真贋鑑定を含め、コルソはヨーロッパに向かうが、行く先々で持ち主が不審な死をとげる。やがてコルソ自身も襲われるようになるのだが...
※「続き」はネタばれです
【所感】
冒頭はいい感じでスタート。映像と音楽で引き込まれて行く。派手さは無いが背中からじわじわと追い詰められるような恐怖。
と。僕好みの怖さを纏っていたのだが、終盤にかけて徐々に恐怖が薄らいでゆく。
なんでだろう?
一つ思い当たるのは、物語が「悪魔」そのものによる恐怖から、「悪魔崇拝する人々」の企みにシフトしていったように感じたためだろう。理不尽な邪悪さから理解できる悪意へ。これが興味を削いだ一つの要因と思う。
もう一つはコルソ(ジョニー・デップ)が追い詰められているはずなのに、今一つ焦燥感が感じられなかった演出にあると思う。コルソに付きまとう「謎の女」もアクセントになるはずなのだが、イマイチ煮え切らないというか。
期待しすぎだったのかもしれない。
【評価】
総合評価:★★★☆☆(3.0)
- 面白さ:★★★☆☆
- ホラー度:★★☆☆☆
- グロ度:★☆☆☆☆
- サイコ度:★☆☆☆☆
- ミステリー度:★★★☆☆
- サスペンス度:★★★★☆
- アクション度:★☆☆☆☆
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【所有者の死にざま】
- テルファー男爵⇒首吊り自殺(本は死亡直前にバルカンへ売却)
- ファルガス⇒死因不明、自宅の池で死体が発見される(本は焼却途中でコルソが回収)
- ケスラー夫人⇒オフィスで扼殺後火を放たれる(本は回収できず?)
あとコルソがバルカンから調査のために預かった本を古本屋のバーニーに預けるが、バーニーは自分の店で逆さ吊りの死体で発見される。隠し戸棚にしまわれた本はコルソが回収。
【ナインスゲートの相違】
9枚の挿絵が異なる。劇中で紹介された相違は以下の通り。
- 逆さ吊りされた男の吊られた足が左右異なる
- 鍵を持つ男の持ち手が左右違う
- 迷路の出口が塞がれている
- 城の塔の数が違う
それぞれ異なる版画のサインが異なっている。「AT」と「LCF」。LCF、即ちルシファー。
【コルソの付きまとう女】
序盤からコルソの前に現れる。襲撃されるコルソを助けるのだが神出鬼没で名前は名乗らない。どうやら「ウィッチ(魔女)」のようだ。
【バルカンの降魔術】
全ての挿絵(LCF署名版と思われ)を集めたバルカンがナインスゲートに従い降魔術を施すが失敗。自らを焼いて火だるまになり、最後はコルソに射殺される。挿絵を回収して立ち去るコルソ。
【ラスト】
バルカンの降魔術が失敗した原因を「謎の女」がコルソ明かす。最後の挿絵が異なるためと。「謎の女」は、正しい挿絵はスペインの製本屋にあると告げてコルソの前から消える。コルソが製本屋に行き正しい挿絵を手に入れると、ナインスゲートが開いて、光の中へコルソが消える。
以上です。