201106_7fusigi

制作年:2011年(日)
監督:市瀬裕士
脚本:佐野宜志
収録時間:70分

カテゴリ:ホラー/フィクション

【キャスト】

  • 川崎裕菜
  • 高山智恵美
  • 江口千夏
  • 萩原イッキ

【総括】

なんなんだろう。
それなりに怖い仕上がりになっていると思うが、観終わった後にまだ燻っている感じが残ってしまう。
まあ短時間(70分)でホラー要素を詰め込んでいるので、観ていて中弛みのような飽きることは無かった。同様に失敗感も無い。これが90分を超える作品だと、もう少し違った印象(ネガティブに)を受けたかもしれない。

時間相応に標準的な仕上がりになっている作品だと思う。映像面でも怖い描写が次々出てくるので、その点の不満は感じなかった。

【ストーリー】

今は使われていない小学校、つまり廃校が舞台。最後の卒業生である5人の男女が、5年後の校舎を訪れてタイムカプセルを開ける所から始まる。主人公なつき(♀)、喜一(♂)、うらら(♀)、なおすけ(♂)、むぎこ(♀)。中から出てきた当時の交換日記に、見覚えのない「ナナフシギ」というタイトルの文章があった。誰もいない校内を探索する5人だが.....

※「続き」にネタばれを記載します

【所感】

テーマ自体は使い古された「学校の七不思議」。
クローズドサークルで暗号のような文章(ナナフシギ)に沿って、一人、また一人と殺されてゆく展開も普通。ただ総括にあるように、短時間で怖さを詰め込んでいるので退屈はしない。
ラストは意外性こそ無いが、まずは及第点か。欲を言えば、5人の人間関係にもう一捻り欲しい。「ナナフシギ」と5人との関係もイマイチパンチ不足。単に廃校となった母校を訪れた5人が巻き込まれただけの作品になってしまっているのは残念。
全体を通して漂うチープ感は仕方ない(?)が、追い詰められる人間特有の緊迫感や切迫感といった感覚が伝わってこないのだ。同様に後を引くような怖さも感じられなかった。

失敗とは言わないが、「もう一度観るか?」と聞かれると、答えは「No」かな。

【評価】

総合評価:★★★☆☆(3.0)

  • 面白さ:★★★☆☆
  • ホラー度:★★★★☆
  • グロ度:★★★☆☆
  • サイコ度:★☆☆☆☆
  • ミステリー度:★★★☆☆
  • サスペンス度:★★★☆☆
  • アクション度:☆☆☆☆☆

ランキングサイトに登録中です
応援クリックをお願いします
↓↓↓↓↓↓↓
人気ブログランキングへ

(続き)ネタばれ注意、「⇒」は所感

【冒頭】

廃校となった母校を訪れるなつき。彼女は喜一から鈴の付いたネックレスをプレゼントされる。なつきと喜一は付き合っている。

【背景】

校内を探索して帰ろうとした時に用務員(廃校の管理者)に出会う。彼の口から20年前の話として語られる。

当時さちこちゃんという女の子がおり、仲の良かったまきちゃんとよく一緒にかくれんぼをして遊んでいた。夏休みの前日、終業式にかくれんぼでさちこちゃんは「誰にもわからない場所」に隠れ、そのまま行方不明となってしまう。警察が捜索するも見つからず、夏休みが明けた後、教員が腐乱したさちこちゃんを学校で発見。遺体のそばにノートがあり、そこには七つのうたが書かれていた。
その後、学校では校長を始めとして死亡事故が多発した。

【犠牲者たち】

  • 用務員:自らドラム缶の火の中に頭を突っ込んで死亡
  • なおすけ:首のないスーツ姿の男に襲われて死亡(死因不明)
  • むぎこ:顔の爛れた用務員腹を刺された後、喉を切られて絶命
  • 喜一:ロッカーに閉じ込められ、その後行方不明
  • うらら:トイレの個室で後から首を絞められる。苦しむうららの開いた口に手を突っ込まれ、うららは舌を千切り取られ死亡
  • なつき:発見した喜一と共に屋上から消防用ホースを使って脱出を試みるが、なつきが降りている最中に、支えている喜一がさちこちゃんに襲われホースを手放して逃げる。なつき転落死
  • 喜一(再び):一人校庭に脱出成功するが、なつきにプレゼントしたネックレスで斬首。死亡と共に終劇

【クローズドサークル】

なおすけの死体を発見した4人。用務員を呼ぼうと階段を下りるのだが、何時まで経っても1階につかない。3階に下りることが出来ないのだ。4階から3階へ降りたら4階に着く。4階の踊り場にある「4」の文字が消されている。4人は閉じ込められてしまった。

⇒このからくりの見せ方は良かった。シチュエーションは異なるが1408号室を連想した。
⇒校長室が4階にある学校もめずらしい。大抵は1階だろう。カメラ越しにしか見えない人影は結構怖かった。

【人間関係】

うららの口から5人の中のなつきの立ち位置が語られる。元々喜一とうららが付き合っており、なつきをからかうために拾ったネックレスをプレゼントしたというのだ。うらら曰くなつきはペットだと。なつきは喜一に裏切られたこととなる。

⇒なつきの設定がイラつく。舌足らずな喋り方の所為だろう。うららに共感できてしまう。設定としてこの捻りはアリか。

以上です。