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ザ・コーヴ [DVD]
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映像観ました。

[After]編は続きに記載します。

以下、[Before]編です。
2011.2.22に記載した内容のママです。
↓↓↓↓↓

最初に。

今回はレビューではありません。
作品を観る前の気持ちを書きとめただけです。

 

なにかと世間を揺るがした映画。
ホラーではないのですが、2/25レンタル解禁となる当作品。
自分自身で「観る前[Before]」「観た後[After]」で、本作品の取り上げている問題について、どのように感情、受け止め方の変化があるかを記しておこうと思います。

今回は「観る前[Before]」編です。

劇場公開も当然観ていません。
コーヴ同様にシーチワ、、、シェパードの調査捕鯨妨害についても触れます。取り上げたメディアの情報のみから、現在の心境です。

総括しておくと

『でっけえお世話だよタコ。おまえらに言われる筋合いなんか欠片もねえよ。コッチ見んな

ですぅ(#`皿´) ムキーーーー!

 

では、Beforeの想いを箇条書きにしておきます。

  • 共食いしているわけではないのに、他国の(食)文化に口出しするな
    非常に独善的で、自分達以外は全て異端といった考え方が浸透しているとしか思えません。まさに一神教(ry
  • なぜイルカとクジラだけが特別なのか
    イルカとクジラは知能が人間並みだからというが、知能が捕食可否の尺度となる根拠がわからん
    確かに現在人間だけが食物連鎖の外にいることには違和感がありますね(死にたくないけど)。その代わり喰うわけでもないのに世界のあちこちでは殺し合い(一種の共食いか)をしていますが。合掌。
  • イルカ漁や捕鯨より、君達の考案したブロイラーの方がよっぽど残酷なのではないか?
  • 自分たちは乱獲で絶滅させておいて、他国には絶滅させるわけでもないのに非難するのは卑怯
    絶滅に追いやったバッファローや、カンガルーの撲殺は許されるなど、まず自分たちの行ってきた(現在進行形)ことに対する見解を述べよ
  • 食物連鎖の一環ではないのか
    イルカ漁もしくは捕鯨をやめた場合のメリットとデメリットの提示が欲しい。たしか「イルカ被害」といったこともあったはず。
    イルカ(クジラ)を解放するなんて考えている時点で人間何様の上から目線もいいところ。そんな考え方をした人間が、何を言っても偽善にしか感じない
    人間に限ると、大切なことは捕食される側への感謝の気持ちなのではないのか?
  • 活動資金を企業調達(スポンサード)している時点で商業主義的な営利団体活動にしか見えない。つまり妨害活動はステークホルダーに対するパフォーマンスでしかなく、パフォーマンス内容を映画化=興行収入を得ている時点で偽善的で、かつ娯楽映画、もしくはプロパガンダの一つでしかない
    『イルカ漁の実情(現場)を全世界に教えてあげたい』などと言っているが、映画化して公開する本当の目的は何なのか?
    映像で伝えて終わりなのか?伝えた後にどうしたいのか?「こんな酷いことをやってます防ぎますからお金ください」といったスポンサーが欲しいのか?映画化することは興行収入を得ること、つまりはお金を稼ぐことなんだけど、興行収入(著作権印税含む)で得たお金は何に使われるのか??
    偉そうにゴタク並べているけど、結局はお金を稼いで自分が気持ちよく生きたいだけなんじゃないのか?そんなコトの道具に異文化を巻き込む資格(正義)なんか、どこにも感じないんですけどw

と、現在[Before]の当作品、および関連する団体に対して、相当ネガティブな感情を持っています。民族的感情ですね。
つか書いててだんだんムカムカしてきましたw

ニュートラルな心で観ることが出来るが自信がありません

あ。ちなみにイルカやクジラは好きです。
ずいぶん前に南半球に旅行した時、ホエールウォッチングをオプションにしようか迷ったことがあります(結局観ることが出来るか判らないとのことで外した記憶があります)。
鴨シーのイルカショウとか何回か観たことがあります。
チョット視点が異なりますが、グランブルーも好きな映画の一つです。ジャン・レノ(エンゾ)はこの映画で知りました。
多くの日本人もクジラが嫌いで捕食しているのではないのですけどね。

 

果たして[After]では僕の心境は変化するのでしょうか?
自身としては、前述した感想、というより感情は変わらないと自負しています。
[After]編はレンタル視聴後(3月前半くらい)に載せたいと思います。

 

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続きの[After]編です。(2011.3.13)

ザ・コーヴ。
観ましたん。

結論を先に書きます。

  • 観終わっても漁を止めるべきという明確な理由付けが自分にできませんでした。
  • リック・オバリー氏の信念に基づいた映像だと感じました。
  • 客観性を出そうとしていますが、どうしてもイルカ漁反対の見識が出てしまってます。残念。

できれば賛成・反対両方の立場からファクトを明確に提示すべきだと感じました。
その上で、やっぱり一方的なプロパガンダ映像でしかないと感じ、現在のイルカ漁は継続しても構わないとの立場をとります。
まぁスタッフは全員反対する人たちで構成されているので仕方ないことですけど。

信念を持つことは大切ですけど、人の数だけ信念があって、生活していることを掘り下げて映像化して欲しかったです。

この映画では大地町の人々、日本の役人がヒールで、制作スタッフがヒーローとして描かれています(少なくとも僕にはそう見えました)。やっていることは「盗撮(=犯罪)」なんですけどね。
まさに一神教の世界観を感じます。「自分(達)が正義」「他者は異端(=排斥すべき対象)」の二元論で物語を構成、編集していることが透けて見えます。

映像は、地元の妨害(あえてこの言葉を使います)のため、「現場」の盗撮がメインとなります。全編90分の内、約80分が背景説明(盗撮の正当化)と盗撮に至る経緯を描いています。

世界各地からイルカ漁反対に賛同するスペシャリストを募ります。目的はイルカ漁の残虐性を盗撮して暴露するために。
「イルカ漁の残虐性を暴露する」だとヒーローっぽいてすね。
実際は「盗撮して」が付いてますので、率直に犯罪者集団といったイメージを持ちました。
集められたメンバーは作戦を練り上げてゆきます。
みなさんくつろいで楽しそうに作成を立ててます。
目的は「どうやって盗撮するか」です。小さい頃の悪戯を計画するような雰囲気を感じました。
彼らにとってはイルカ殺戮自体は重要なことではないようです。
唯一リック氏だけは真摯に向き合っているように感じました。
信念ですね。
あとのスタッフは、いろいろ自己正当化を図っていますが、ぶっちゃけ「お金になりそうだから参加してみた」的なノリを感じずにはいられません。真摯さが伝わってこないのです。

いくつか問題提起もしていましたので紹介します。

  • 水族館に売られるバンドウイルカ一頭の価格は15万ドル
  • イルカを含むクジラ類には大量の水銀が含まれている
  • クジラ肉と偽ってイルカ肉が売られている
  • 大多数の日本人が知らないイルカ漁。それが日本文化と言えるのか?

エンディングで水銀含有量は調査結果にはバラツキがあること、偽装販売していることは事実ではないことがテロップされます。
また日本人に街角インタビューシーンがあります。「イルカ漁がおこなわれていること」を知っているかと。
そこに出てくる人は一様に知らないと言います。
勿論僕も本作が話題になるまで知りませんでした。
リックは言います。
大多数の日本人が知らないのに文化といえるのか?
逆に問いたい。
知らないと文化にならないのか?
知ることは文化なのか?

当然答えになるような映像(返事)はありませんけどね。

その他にも、日本の国旗を焼く捕鯨反対デモ映像や、水俣病患者の映像などを切り出して、極力悲惨な映像を作ろうとしています。

IWC(国際捕鯨委員会)の会議風景も頻繁に挿入されます。
イルカはIWCの対象ではないそうです。理由は小さいから。
IWCで多数派工作を図る日本は、やっぱり悪役です。
日本に票を入れる=日本に金で買われている
こういう言い方をするとなんでも悪く感じますよね。
日本に援助してもらっているので賛同する側に回る。
実際悪いことなんでしょうか?
SSもスポンサーが付いています。
スポンサーの都合の悪い活動はしませんよね。
国際手配中のポール・ワトソン(SS代表)も出ています。
彼らの活動だけは偽善的で吐き気がします。

いったい、彼らの正義は何か?
作中で「人を変えるものを作りたい」とか語っています。
また日本人の心の奥には別のモノがあると。
曰く「帝国主義の残骸」「西洋からの指示はもうたくさんだ」「国家主義のプライド」等々。
これはあるかもしれません。意識しなくとも無意識に働いていることもあるでしょうし。
でも日本人だけでは無いような気がしますけど。
なのでイマイチ説得力に欠けていると感じます。

彼ら(制作スタッフ?)は、大地町の漁師に提案したそうです。
イルカ漁と同額の助成金を出すので漁を止めて欲しいと。
答えは拒否、理由はペスト・コントロール(害獣駆除)とのこと。
ここが良くわからないところです。
イルカが害獣たる理由が語られていません。

 

ラスト10分がイルカを殺すシーン。
まさに血の海ですね。
小さな湾が真っ赤に染まってます。
ただ自分は事前にこの映画の内容がインプットされていたためか、あまりショッキングな映像と感じませんでした。
生き物を殺せば赤い血が流れるのは当然です。
逆に恣意的に残酷に見えるように編集しているような意図を感じ、制作側に不快感を覚えました。

 

全体を通して制作側の自己正当化と、視聴者の感情に訴える内容でした。
そして彼らが何のためにイルカ漁をやめさせたいのかハッキリしない内容でした。
イルカ肉がだからなのか。
隠しているからなのか。
かわいそうだからなのか。
知性があるからなのか。
いっそ言う(イルカ漁を止めさせるよう)ことをきかせたいだけなのか。

隠すから知ろうとする。
漁の現場は隠さなくてもいいのではないかと思います。
別に悪いことしているような認識には至りませんでしたし。

 

リック氏は省みます。
若き日にイルカを水族館に売って、その金で車(ポルシェと聞こえた)を買ったそうです。
若気の至りと猛省しているようです。
別にこのことだけを取って、「オマエガイウナ」とは言いません。
失敗や反省、後悔はだれにでもあることで、それを繰り返さない工夫は必要ですから。

でも。

映像を見ても判らないんですよ。

なぜそこまでこだわるのかが。

映画では「作品化」するために様々なファクトが散りばめられています。一度ファクトを整理して欲しいと思いました。
可能な限り定量的に「獣害たる理由」「水銀含有量」「なぜ大地町にイルカが集まるのか」といった事実を。

 

やっぱり客観的に観れたのか自信がありません
リック氏の志は感じ取ることが出来ましたが、一方ではそれだけの内容でした。
アカデミー賞を受賞した作品でもありますので、理解できないのは僕の頭が悪いだけだと思います。

最後に。
進んで再視聴するような映画ではありませんでした。

 

以上です。