shot

SHOT/ショット [DVD]
クチコミを見る

制作年:2010年(ウルグアイ)
原題:LA CASA MUDA
監督,脚本:グスタフ・ヘルナンデス
収録時間:86分

カテゴリ:サスペンスホラー

珍しい(?)ウルグアイ発のホラー映画
レンタルサイトの紹介分は...

>ウルグアイで起こった実話に基づき、全編をワンショットで描いたサスペンスホラー。人里離れた山奥の家に泊まることになった親子のウィルソンとローラ。深夜、ローラが大きな音がした2階の様子を見に行くと、その間にウィルソンが殺害されてしまう。

「全編をワンショットで...」
一人称(ローラ?)の映画なのだろうか?
まさか記録役が犯人だったりとか??

ま。あれこれ推察するより、84分と短めなので観た方が早いか。
言語はスペイン語。

スペイン語というとどうしてもオリジナルREC,REC2を連想してしまう。このblogでレビューはしてませんが、POVの元祖(ブレアウィッチの方が先か...)なんで掲載するかもです。ちなみに個人的には両作とも4つ星。REC2の終わり方が続編を意識しているように感じたのでREC3を期待しています。

 

閑話休題(あだしごとさておきつ)。

【キャスト】

  • フロレンシア・コルッチ
  • アベル・トリパルディ
  • グスタヴォ・アロンゾ
  • マリア・サラザール 

【ストーリー】

冒頭は「この物語は実話に基づいて作成された」と、何度も聞いたようなテロップです。

父親(ウィルソン)に連れられ、彼の別荘(?)に向かう主人公ローラ。ローラの口数も少なく、表情からは嫌々ながら付いてきたように伺えます。
時間は曇り空の昼間と思っていましたが、どうやら夜のようです。ほぼ廃屋寸前の別送。ウィルソンは手入れして売りに出そうとしており、手入れのため娘ローラと一緒に屋敷に来ます。
手入れは明日からと、到着早々に休む二人。

物珍しげに暗い部屋を物色するローラ。
ウィルソンは早々に椅子で眠ります。
灯りはカンテラだけ。窓はすべて打ちつけられており、かすかな明かり(昼なのか夜なのか判りません)が隙間から差し込みます。

と、休もうとするローラは二階からの物音を耳にします。
既に寝ているウィルソンを起こします。
ダルそうにウィルソンは調べるために二階にあがり、死んでしまいます。両手は縛られ血だらけになった父親にローラは泣きながらすがります。

いったい何が起こったのでしょう?
ローラはどうなってしまうのか?
そして犯人は?

 

【所感】

たしかにほぼ「ワンショット」でした。
しかしPOVとは異なり、カメラマンは完全に透明人間です。
主人公ローラに纏わりついて、ほぼ彼女の視点を強調した作品に仕上がっています。
うまく撮っているなと感心しますが、POVのように撮影者が移動するたびに画面が揺れます。苦手な方は酔ってしまうかもです。

また、収録時間=ストーリー中の時間進行となります。

難点は、

  • 背景設定が判りにくい
  • 照明はほとんどがカンテラの灯りのみで画面が暗い
  • 暗いので何が起きているのか判りにくい

点ですかね。

背景設定は、ラストの結末に大きく影響します。
観終わった直後は良く飲み込めませんでしたが、思い返してみると「そういう設定なの」と少しだけ驚きました。

さて。肝心の怖いシーンですが、単純な殺人モノではなく、どちらかというと心霊、怨念的な映画です。
流血シーンはありますが、ザクザク人を殺すシーンはありません。
サイコも少し入っていますが、観ている最中は良く判りませんでした。

「この映像」が事実なのか、虚構なのか未だに判断つきません。

そんなに長い作品でも無いので、 洋画のスピリチュアル系ホラーに興味がある方は観てもよいのではないかと思います。
まあ過度の期待は禁物ですが。

 

総合評価:

  • 面白さ:
    ★★★☆☆
  • ホラー度:
    ★★★☆☆
  • グロ度:
    ★☆☆☆☆
  • サイコ度:
    ★★★★☆
  • ミステリー度:
    ★☆☆☆☆
  • サスペンス度:
    ★★★☆☆
  • アクション度:
    ★☆☆☆☆

つづきはネタばれとなります。

 

ランキングサイトに登録中です。応援クリックお願いします。
↓↓↓↓↓↓↓

人気ブログランキングへ

(続き)ネタばれ注意

 

【怖かったシーン】

一番印象に残った場面です。

カンテラを落とし、暗い部屋の中で叔父さんもいなくなり恐慌状態のローラ。彼女の手元にはポラロイドカメラがありました。

ローラはシャッターを切ります。
フラッシュにより一瞬部屋が明るくなります。
取り乱しながらも明かりを求めシャッターを切るローラ。

何枚目かに、「白い服を着た髪の長い少女」がフラッシュにより浮かび上がります。ローラの悲鳴。

この時点で少女の出自は不明。
極めて日本的(心霊的)な描写で、コチラが「何かあるな」と構えていてもビックリしてしまいます。

次にフラッシュに浮かび上がるのは、血まみれの叔父さんでした。

 

【背景設定の謎】

これが最初に提示されなかったのは、ラストに影響するからなんででしょうね。

ちょっと複雑なようですが、どうも「近親相姦」のようです。

明確に語られておらず、状況から判断して整理してみました。

  • ローラは父親、および、叔父と関係を持っていた
  • ローラは叔父を愛していた
  • ローラは二人のどちらかの子供を産んだ
  • 子供の名前はソフィー
  • 産んだ子供は父親または叔父、もしくは二人により殺された
  • ソフィーが殺されるまで、この廃屋で暮らしていた
  • ソフィーが殺されてローラは上記事実の記憶を失った
  • 廃屋に飾られた写真により記憶がよみがえった

かなりヘヴィーな設定なようです。

 

【犯人は?】

不明です。

いや叔父さんを殺したのはローラですね。
このときは視点が叔父さんに移ります。狂気のローラが描かれています。

ただローラにはワンショットの映像というアリバイが存在ます。
その前提でいくと、

  1. 父親(ウィルソン)を殺したのは誰か?
  2. 叔父を負傷させたのは誰か?
  3. ローラがみた男の足は誰のものか?
  4. 父親の死体を移動させたのはだれか?
  5. ローラ(視聴者)を怖がらせる演出をしたのは誰か?

といった疑問が残ります。

ソフィーが怨霊となって手を下した」と考えるべきなのか、「映像がローラの妄想で作られている」と考えるべきなのか。
個人的には前者を支持したいところです。

 

【ソフィー】

ラストまで明かされない存在です。

ローラが、裏切った(ソフィーを殺した)叔父を殺すシーンでエンドロールなんですが、そこで断片的な写真が写されます。
写真ではローラ×父親×叔父のスリーショットなど、決してローラが虐待されていたのではないことを告げています。

エンドロールが終わると、廃屋の外を歩くローラが出てきます。

古臭い人形を手にし「ソフィー」の名を呼ぶと、林の奥から「ソフィー」が駆けてきます。
「ソフィー」は普通の女の子でした。
ローラはお祖母さんのところへ行こうと、ソフィーの手を引いて歩きだします。やがて林を抜け草原に出ると、朝日(?)に向かって歩くローラの後ろ姿が映し出されます。
ローラが朝日に向かって歩みを進めると、その手にはソフィーではなく「古臭い人形」だけが握られていました。

ここで「ソフィー」は存在しないこと、ローラが異常であることが判ります。

最後に、「この事件の犯人(=ローラ)は、まだ捕まっていない」とテロップされてお終いです。

ソフィーの存在を語らなかった前半部分には少し狡さを感じますが、全体的に怨霊に獲り殺される(実際は物理的な衝撃で死んでいますが)といった、日本人好みの映像作品に仕上がっているのではないかと思います。

 

以上です。