ON AIR(オンエア)脳・内・感・染 [DVD]
クチコミを見る
制作年:2008年(カナダ)
監督:ブルース・マクドナルド
原作:トニー・バージェス
原題:Pontypool
収録時間:97分
レンタルサイトの説明文
>謎のウイルスに感染した田舎町のラジオ局を舞台に描いたシチュエーションホラー。雪深い田舎町で謎のウイルスが発生。ウイルスは言葉を媒体として町中に広がり、感染した住民は凶暴化。そんな中、ラジオ局に取り残されたDJ・マジーとスタッフは…。
アウトブレイクのような展開か?
と疑問に思いつつ視聴。
と、早々とのめり込みました(笑)
僕的にはかなり面白く、最後まで観ることが出来ました。
タイトルに釣られて借りてみたのですが、これがなかなか当たりでした。
【キャスト】
- スティーヴン・マクハティ
- リサ・フール
- ジョルジーナ・ライリー
- フラント・アリアナック
【ストーリー】
カナダのオンタリオ州のポンティプール(原題のPontypool)を舞台にしたホラー映画。
雪の降る早朝(まだ暗いうち)、地元ラジオ局のDJ:マジーがスタジオに入ります。場所は教会の地下(を借りている?)、スタッフは女性2人。プロデューサーであるシドニーとエンジニアのアンだけといった、こじんまりとしたラジオ局です。
いつも通り(?)の番組進行。DJマジーは現状に不満を持っているようで、シドニーと揉めながらもリスナーに向かってメッセージを発信しています。
異変が起きたのは、街(ポイントプール)の状況を伝えるリポーターでした。リポーターは音声越し(テレビでは無いので当然声だけです)に、町医者の家に群衆が集まりつつあるとレポートします。
そしてその群衆は暴徒と化し、人を襲いながらなおも集まっていると。
局内の3人はレポーターの言葉を良く理解できません。
そんな暴動が起きるような街ではないからです。
疑心が確信に変わるのは、BBC(英、原文ママ)からの状況問合せでした。BBCが「暴動が起きている」「レポートして欲しい」と割り込んできました。
騒然とする3人。やがて件の町医者ジョンがスタジオに逃げてきて、未知のウィルスにより人々がおかしくなったと語ります。そのウィルスは、人の声(言葉)により感染し、声を脳が理解することで発症するといいます。
そうしている中にもアンが発症しました。
いち早く発症に気付いたジョンが、スタジオ内(防音されている)に逃げ込みます。外ではラジオ放送につられ(ローカルラジオで街中にスピーカーを設置しているようです)、スタジオにも感染者が続々と集結してきます。
マジーたちは助かることが出来るのでしょうか?
【所感】
突然発生した未知のウィルスがアウトブレイクしたことで起きるパニックホラーといった部類ではないかと...
音を媒介にウイルスが感染、増殖する設定は面白いと思いました。
オカルトとしては呪術、呪文、言霊などと、発声そのものが人に影響を及ぼす設定はママありますが、それをウィルスとして設定したところが新鮮でした。
舞台もほぼ全部ラジオスタジオ(教会内)で、話しが拡散せず最後まで面白く魅せることが出来た作品だと思います。
ゾンビ映画ではありませんが、感染者はゾンビのような振舞いをします。音を発する人間に反応して攻撃するようになります。
ゾンビでは無いので致命傷で死んで(動かなくなって)しまいますが、俊敏な動作をする場面もあります。
物語はウィルス発生の原因には言及されていません。
その点は残念でありますが、観ていてあまり気になりませんでした。
逆に語られるとつまらない作品になったかもしれません。
ただ「ホラー」にカテゴライズされるのはチョット違和感がありました。
映像は感染者がゾンビっぽいので「ホラー」色もあるのですが、「ウィルス」と判った時点で「サスペンス」色を感じてしまったのかもしれません。
ラストを含めて続きはネタばれです。
総じて予想外に面白かったです。
観て損はしない作品だと思います。
総合評価:★★★★☆
- 面白さ:
★★★★★ - ホラー度:
★★★☆☆ - グロ度:
★★☆☆☆ - サイコ度:
★☆☆☆☆ - ミステリー度:
★★☆☆☆ - サスペンス度:
★★★★☆ - アクション度:
★☆☆☆☆
ランキングサイトに登録中です。応援クリックをお願いします。
↓↓↓↓↓↓↓
(続き)ネタばれ注意
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
【感染のしくみと症状】
本文にも書きましたが、感染の媒介となるのは言葉です。
感染者に噛まれたりしても感染しません。
また「聞いただけ」では発症しません。「言葉」が脳により「理解」されることで発症します。
その「言葉」は英語限定です。
そのため筆談はもとより「フランス語」では感染しません。
感染者は聞いた言葉をオウム返しに繰り返し発声するようになります。
まるでその「言葉」が自分の全てであるように、繰り返し発声します。
そして理性が無くなり、攻撃的な行動をするようになります。
【アンの感染】
ラジオ局ではアンが最初に感染しました。
感染を察した3人(マジー、シドニー、ジョン)は、防音されたスタジオ内に避難します。
感染したアンは、スタジオの外に取り残されます。
当初は「もう大丈夫、中に入れて」と要求しますが、やがて発症すると、スタジオの防音ガラス越しから体当たりで入ろうとします。何度も何度も体当たりして、自身が傷つき出血しても止めません。
もはや知性も痛覚も無く、ひたすら音声を欲して体当たりしてきます。さしあたりゾンビの様相です。
その様をスタジオ内から観察していたジョンが気付きます。
ウィルスが感染者を増やそうとして宿主を行動させていると。
そして、感染者を増やす(ウィルスの増殖)ことができなかったアンは、大量の血を吐いて絶命します。
【感染者の群れ】
ラジオ局に感染者が集まってきました。
3人はスタジオ内で筆談で協議し、マジーは屋外のスピーカーに出力されるようにメッセージを発します。
スピーカーの音声に釣られ、感染者の群れが室外に出てゆきます。
【ジョンの感染】
次はジョンが感染しました。
異常に気付いたマジーとシドニーはスタジオから脱出します。
2人は感染者が全員外に出たと思っていましたが、一人の少女が残っていました。
少女はシドニーに飛びかかります。
マジーとシドニーは少女を蹴り殺して難を逃れました。
追ってくるジョン。
しかし彼は何するでもなく窓から外に出てゆきました。
何を考えたのか不明です。
【シドニーの感染】
彼女も感染し、兆候が出始めました。
思考には先ほど少女を殺した罪悪感が占めていました。
「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」と。
まさに発症寸前の彼女を前にマジーは考えます。
「理解」するから発症する。すなわち言葉を聞いても理解しなければ発症しないと。
マジーはシドニーに意味をなさない言葉を投げかけます。
シドニーが反応したのは、
Kill is Kiss.
でした。
それを境にシドニーは正気を取り戻します。
【ラスト】
もはや町中に感染者が溢れかえっています。
州(国?)が判断したのは、街ごと亡くすことのようです。
外部の放送がスタジオに入ってきます。
それはカウントダウンでした。
2人はkissをしてブラックアウト。エンドロールです。
エンドロールの最中に断片的な状況がテロップされます。
エンドロールが終わると、マジーとシドニーが白黒で登場。
「もう白黒の世界から出よう」とマジー。
やがてカラーに変わってゆくと、シドニーの言葉を遮りFIN。
この場面は意味が判りませんでした。
何回か繰り返し観ていると理解できるのかも。
その後2人がどうなったのか、ウィルスがどうなったのか、そもそもの原因は、そういった説明はありません。
以上です。
海外ホラーや国内心霊ドキュメント等が好きで、このブログを見つけました。
密かに好きなオン・エアーやキューブ・レッドが紹介されてあり、嬉しいです。
フランスの屋敷女という映画も知名度は低いですが、面白いですよ。
スプラッター気味ですが。
機会があれば観てみてください。