dread

クライヴ・バーカー ドレッド[恐怖] [DVD]
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制作年:2009年(米/英)
制作,原作:クライヴ・バーカー
監督,脚本:アンソニー・ディブラシ
収録時間:約95分

カテゴリ:ホラー(サイコ)

久しぶりのホラーレビューです。すみません。
クライヴ・バーカーによるホラー映画。

【キャスト】

  • ジャクソン・ラスボーン
  • ショーン・エヴァンス
  • ハーネ・スティーン
  • ローラ・ドネリー

冒頭...

『望みは?』
『魂の叫びが訊きたい。』

 

全体を通しての所感。

テーマが判りにくい。
中盤からトラウマがテーマだと判って来ます。

またホラーというよりサイコホラーといった感が強いと思いました。

 

【ストーリー】

映像論を専攻している大学生スティーブンは、ある日同じ講義を受けているクウェイドに声を掛けられ、「恐怖」の感情に対する課題論文の共同作成を提案されます。
初めて声を掛けられて戸惑うスティーブンですが、気さくなクウェイドに押されるように提案を受けます。

彼らの取り組んだ課題は、いろいろな人に恐怖体験をインタビューし、追体験することで「人間の恐怖とは何か」探るものでした。
クウェイド曰く「カタルシスの実験」(字幕和訳ママ)。

スティーブン(♂)とクウェイド(♂)、そしてエディターとしてシェリル(♀)の3人組で課題に取り組み始めます。

ビデオカメラを前に学内からさまざまな人が体験した恐怖(DREAD:ドレッド)を語ります。

スティーブンに好意を寄せているアビー(♀)も巻き込んで、彼らの研究、恐怖の収集を進めてゆきますが、提案者のクウェイドは今一つ納得できていません。

クウェイドを中心にドレッドの収集に収まらず、次第に彼ら各人のトラウマに迫り、研究はエスカレートしてゆきます。

彼らの研究の結末は.....

 

【所感】

クウェイドのサイコっぷりが結構イケていました。
自分の考えている成果を見出せず、クウェイドが暴走してゆく過程は面白かったです。

「サイコ」物映画は役者さんによるところが強いように感じました。
クウェイド役のショーン・エヴァンス。
一見平凡な若者なのだが、ふとしたことで頭のネジが一本ぶっ飛んだような表情を見せてくれます。
その言動もどこまで本気なのか、スティーブンらを振り回します。

ただホラー映画としては、やっぱりイマイチですかね。

後に残る怖さはありませんでした。

斧でざっくりとか、ウジの湧いた肉を食べるとか、両耳を拳銃で撃ち落とすとかはあって気持ち悪いですが、スプラッタ系でもないと思います。

キレた人間、ぶっ飛んだ人格が観たい方は一見しても良いかもです。

 

以前のblogでも書いた覚えがあるのですが、欧米の「恐怖体験」って、やっぱりリアルな体験談なんですね。

例えば、
両親から受けた過度の愛情(≒虐待)、だったり
隣人が猟奇殺人犯、だったり
誤って蜂の巣を突いてしまい追いかられる、だったり
いつも一緒だった親類が、たまたま一緒ではなかった時に起きた悲劇、だったり。

劇中のインタビューに答える生徒たちは、全部リアル系統の恐怖体験でした。

日本で「恐怖体験」というと、まず頭に浮かぶのが「霊体験」だと思います。少なくとも僕はそう。

そういった文化的背景もあるのでしょうが、本映画のテーマ「恐怖」に対して感情移入がしにくいです。
確かに気持ち悪いし、ドッキリしますけど、「恐怖」といった感情は今一つ湧きません。

日本人特有の感情なんですかね?

 

総合評価は★★☆☆☆
としました。

  • 面白さ:
    ★★☆☆☆
  • ホラー度:
    ★★☆☆☆
  • グロ度:
    ★★★★☆
  • サイコ度:
    ★★★★☆
  • ミステリー度:
    ★☆☆☆☆
  • サスペンス度:
    ★★☆☆☆
  • アクション度:
    ★☆☆☆☆

クライヴ・バーカーの「血の本」を借りる予定です。順序が逆ですが本作を踏まえて観てみたいと思います。

 

つづきはネタばれです(なんか久しぶりです)。

 

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(つづき)ネタばれ注意

 

さて、物語はトラウマを追体験し、エスカレートしていく様を描いています。
中心はクウェイドの暴走です。

出演者のトラウマなどをご紹介。


【スティーブンのトラウマ】

兄の死。

兄は劇中出てきません(回想シーンに出てきたのかもしれませんが、よく判りません)が、かなりスティーブンと仲が良かったようです。
兄の愛車は1968年(だったかと?)製のライトブルーのムスタング
スティーブンもよく一緒に同乗していたようです。
兄はムスタングで交通事故を起こし、スティーブンの前から突然消えて(死んで)しまいます。
たまたま同乗していなかったスティーブンは、もし同乗していたら自分も死んでいたかも、と記憶に「恐怖」を刻み込みます。

アイテムは『ライトブルーのムスタング』です。

 

【クウェイドのトラウマ】

両親の死。

クウェイドは幼いころ、両親を目の前で惨殺されました。
突然家に入り込んできた犯人(顔はよく見えません)。
犯人は彼の両親をで殺します。
両親を殺された幼いクウェイドの目の前に、血まみれの斧を片手に犯人がやってきて、クウェイドに向かって斧を振り下ろし......

クウェイドはどうして助かったのか記憶に無いと語ります。

リアルに考えると結構ヘヴィーな体験ですね。
トラウマになって当然かと。

アイテムは『』です。

 

【シェリルのトラウマ】

肉(または父親)。

彼女の父親は食肉加工場(?)に勤めており、夜遅く帰ってくることが多かったようです。
シェリルがベッドに入っていると、父親が帰ってきますが、彼女は足音や声ではなく、「肉の脂の匂い」として記憶に刻まれました。

どうも家族関係はうまくいってなかったようで、シェリルは気がついた時には「肉」を食べることが出来なくなっていました。

アイテムは『』です。

 

【アビーのトラウマ】

容姿。

彼女は顔を含めて半身に大きな青黒いを負っています。
いつ、どうして、そのような姿になったのかは語られていません。
幼稚園に入ったとき(だったと思う)、学友から(痣を持っている自分が)普通ではないと知らされたと語ります。

そんなアビーはスティーブンに恋心を抱きます。
スティーブンの目の前で下着姿となり自分を晒します。
しかしスティーブンは本命シェリルなので、アビーとは友人としてしか接することはできませんでした。

かなり可哀想な境遇です。
そんな容姿で辛いこともあっただろうに、今まで健気に生きてきたアビー。

アイテムは『』です。

 

【クウェイド暴走モード突入】

暴走しはじめるクウェイド。

インタビューは主にクウェイド宅で行われていたようです。
その日に訪れた女学生も、実体験ではなく、恐怖体験をねつ造してインタビューを受けました。
しかしクウェイドの目は作り話には誤魔化されません。

キレたクウェイドは女学生の嘘を見抜いて殴りかかります。
スティーブンとシェリルは仲裁しますが、クウェイドは止まりません。
いままで収集した映像を、機材もろとも破壊しつくします。
曰く『こんなの本物の恐怖では無い』と。

壊れた機材を復旧させようとシェリルは単身クウェイド宅へ。
そして棚の後ろに隠された「部屋」を見つけてしまいます。
そこにはクウェイドが趣味としている人物画(主に女性の裸体)が保管されていました。
全ての絵に共通しているのは、全身を斧で殴られたような傷を持っていることです。

 

【クウェイド vs シェリル】

ということで最初のターゲットはシェリル。

クウェイドは彼女を窓が塞がれた狭い部屋に監禁します。
部屋はビデオでモニターされています。
部屋には数匹の蝿もいるようです。

部屋の中央には....

が置かれていました。

最初は決して肉に近づかないシェリル。
ビデオに向かい「自分は決して負けない」と豪語するシェリル。
クウェイドに許しを請うシェリル。

1日、2日と監禁が続きます。

肉は腐敗しウジが湧き始めます。

一週間が過ぎたころ、肉は黒く変色しウジも成長しています。

そしてシェリルは空腹に耐えきれず、ドス黒い肉の塊を口にしてしまいます。しっかりと骨までしゃぶって。

クウェイドの勝利です。

 

【クウェイド vs スティーブン】

シェリル監禁と並行して、クウェイドは行動します。

クウェイドはスティーブンに、機材を壊したり、勝手に論文を提出したりしたことを謝罪します。
ムスタングを乗りつけて...

スティーブンをムスタングに同乗させると、クウェイドの暴走が始まります。隣に乗っているスティーブンの制止をものともせず、酒を飲み、ムスタングを壁に向かって突っ込ませます。

間一髪、車は停車しました。

が、スティーブンはキレてクウェイドを残してその場を去ります。

当然ですよね。

クウェイドがダウンしました(笑)

しかしクウェイドはそんなことじゃ凹みません。

アビーの告白ビデオを校内放送で流してしまいます。

 

【クウェイド vs アビー】

具体的にクウェイドが手を下したかは語られてません。
話しの流れ的にクウェイドなんでしょうね。

スティーブンにだけ語った、アビーのトラウマ映像。
大好きなスティーブンの前で「」を晒し、しかし、拒絶されてしまうアビーの姿が映されています。

そのビデオが学内放送に流れてしまい、全校に知れ渡ることになりました。

ショックを隠せないアビー。

彼女は彼女を苛む「痣」を消そうと、浴槽で金束子(?)で全身をこすります。当然流血状態ですが、そんなことは気にしません。

駆けつけたスティーブンにより病院へ担ぎ込まれます。

やっぱりクウェイドの勝利です。

 

これにはさすがのスティーブンもキレました。
クウェイドのトラウマを知っているスティーブンは、斧を片手にクウェイド宅に殴り込みます。

 

【クウェイド vs スティーブン 再戦】

驚愕するクウェイド。

クウェイドの脳裏にトラウマが鮮明に蘇ります。
部屋に閉じこもり怯えるクウェイド。

スティーブンは彼の部屋を斧でぶち壊します。
クウェイド恐慌状態です。

しかーし。
クウェイドは斧を振るっているのがスティーブンであると認識すると、拳銃片手に反撃に出ます。
あえなくスティーブンは捕まり、クウェイドにシェリルの監禁ビデオを見せます。

クウェイドのリベンジが成功しました。

 

【最後に笑うのは】

唯一クウェイドが「恐怖」と認定した学生(名前忘れた)がいました。

彼は幼いころ脳震盪起こし、後遺症として数年「耳が聞こえなくなった」のです。その当時を恐怖としてインタビューに答えます。

後日彼をおびき寄せたクウェイド。
彼に耳栓をして当時の恐怖を喚起させようとします。
しかし耳栓ぐらいでは蘇りません。

だからクウェイドは彼の両耳を拳銃で撃ち落とします。

これで耳が聞こえなくなるのか定かではありませんが、映画上では両耳が聞こえなくなってしまいました。

 

一方。
クウェイドに捕まったスティーブンは何とか束縛を解くと、包丁片手にクウェイドの背後に迫ります。
もはや殺すしかないと判断したようです。

スティーブンの包丁がクウェイドの背後から振り下ろされようとしたその瞬間........

病院を抜け出した「両耳を落とされた彼」の斧が、スティーブンの胸板に突き刺さります。

気付いたクウェイドは血に染まった斧持っている彼を射殺

そして生き絶えようとしているスティーブンに馬乗りとなり観察します。

何も語ることなく、しかし、眼で何かを語るように息絶えたスティーブン。

クウェイドは、まさに死に瀕して「恐怖」している様を観察できてご満悦のようです。スティーブンの死体を引きずり、シェリルが監禁されている部屋に放り込みます。

クウェイド完全勝利です。

 

 

ということで、シェリルがどうなったかは語られずエンドロールへ。

ハッピーエンドはクウェイドの独り占めでした。

 

以上です。