クリスマスでつね
さてと。「羊たちの沈黙」に続いて「ハンニバル」です。
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おさらいです。
レビュー進行は以下の通り。
- 羊たちの沈黙(complte)
- ハンニバル(NOW!)
- レッド・ドラゴン(later,undecided)
早速「ハンニバル」です。
冒頭でその後のクラリスがどうなっているかを描写しています。
FBIで一人前の特別捜査官として活躍しているクラリス。
今回は市警と連携して麻薬密売組織の幹部(?)を捕まえようとします。
作戦会議にて市警のリーダーが指揮を取りたがるが、クラリスは毅然と拒否。自分に従うように命令します。
幹部がHIVキャリアで至近距離では噛みついて来る、屋内で逮捕する、などクラリスはメンバーに指示します。
メンバーを配置して幹部がアジトから出てくると...
赤ん坊を抱いた黒人女性
ここでも「強い女性」が蘇えります。
赤ん坊を抱いていることから計画の中止を決断するクラリス。
しかし市警の警官は納得いかず暴走モード。
銃撃戦⇒大量の死者。
幹部の女はクラリスに撃たれ、血を撒き散らしながら絶命します。
何よりも早く赤ん坊を奪い取ると、泣きながら血を浴びた赤ん坊を水で洗い流すクラリス。
この事件の責任者としてマスコミから口撃(司法省による情報操作と思われ)され、FBI内で孤立してゆきます。
「羊(ry」では訓練生というハンデでしたが、こちらでは社会や組織といったしがらみに悩まされながらも、一人でレクターを追い詰めてゆく物語となります。
にしても、シリーズの根底に「強い女性」といったテーマがあるのでしょうか?妙に意識した演出と思われます。
次作「レッド・ドラゴン」も意識して観たいと思います。
登場人物の役どころが徐々に説明されてゆきますが、まとめるとクラリスの「敵」は以下の通りかと...
- [♂]司法省のキャリア官僚:ポール
- [♂]レクター復讐しようと執着する大富豪:メイスン
- [♂]レクターが潜伏している現地の刑事:パッツィ
- [♂]ハンニバル・レクター
3.のパッツィは「敵」とするには微妙ですが、クラリスの動きを邪魔するという意味で挙げました。
さて、前作で脱獄を果たしたハンニバル・レクターは、イタリアのフェレンツェに身を隠しており、美術館の司書の職に就こうとしています。
一方、過去レクターに唯一殺されなかった大富豪メイスンは、若かりし頃レクターに顔の皮を剥がされます(自分自身で顔の皮を剥ぎます)。その立場を利用してレクターに復讐しようとするメイスン。ポールを政治的に、パッツィを懸賞金でそれぞれを操り、クラリスを追い詰め、自らもレクターに迫ります。
先に結論ですが、面白かったです。
結構、いや十分イケていました
まずレクターの描写ですが、知性的な面がクローズアップされてます。
「高度な知性を持った最狂の精神異常者」を、A・ホプキンスが存分に演じています。まさにレクターに適役ですね。
何よりも知性、理性を好み、下品、無礼といった言動を激しく嫌悪するレクター。両極端にある「理性」と「異常性」といった完成を兼ねている役どころを視聴者に深く印象付けます。
次にジュリアン・ムーア演じるクラリス。
10年後のクラリスといった設定なのでしょうか?
FBIの女性捜査官として、セクハラをものともしない「鉄の女性像」を醸し出していて、僕的には違和感なしです。あの訓練生(J・フォスター)が成長したらこうなるだろうなぁ、といった感じです。
当然(失礼)独身です。
彼氏はいるのかいないのか不明。映像では全く触れてませんでした。
100点なんですが、
なんつか、
もちっと捻っても良かったのでは?
ヒトの成長過程として恋愛、結婚などがあっても不思議じゃないし。
ただ捻るとレクターと対等に対決できる資格が無くなるようにもなるし。
結果これで良かったのかと...
どっちつかずですね。
まぁそこまで深読みするなってことでしょう。
続いて監督:リドリー・スコットの描写です。
ブレードランナー凄い好きです
何十回観返したか判りません
ガイドさん何か日本語で話しています。日本人観光客のようには見えないんですが(笑)
ホント日本好きというかオリエンタルテイストが好きな監督さんですね。
ブレードランナーで魅せてくれた近未来の映像。カオスな中に荘厳で耽美な都市。
時代設定が全く異なりますが、ハンニバルの街並み、背景にも共通した壮麗さを感じてしまうのは、僕がブレードランナー好きのせい?
あとは脇役ですが「レイ・リオッタ」良かったです。
個人的には今回の最大の収穫ですね。
この感覚をどのようにお伝えできるのか....
ネタばれになりますので仔細は「続き」としますが、高飛車な高級官僚なんだけどレクターにいいようにあしらわれて、無様そして不気味な最後(?)を演じています。
たたき上げ警官(FBI)のクラリス対、日本でいうキャリア官僚の構図で、たたき上げが快勝する爽快感を与えてくれる役者さんですね。
「アイデンティティ」でも警官に扮した凶悪犯役で出演してました。
最後までエドとやりあう役どころです。
また、はじめて「ヒッチャー」を見たときの「ルトガー・ハウアー」のような不気味さに似た感覚を持たせてくれました。
当作品で彼に興味を持ち、彼が出演している「不法侵入」も観ようとと思います。どうやらサイコ警官役らしいので...
個人的評価は★★★★☆としました。
- 面白さ:
★★★★☆ - ホラー度:
★☆☆☆☆ - グロ度:
★★★★☆ - サイコ度:
★★★★★ - ミステリー度:
★★☆☆☆ - サスペンス度:
★★★★☆ - アクション度:
★☆☆☆☆
参考程度にしてください。
続きはネタばれです。
次回はいよいよ「レッド・ドラゴン」です。
レクター博士の原点はどうなのかを楽しみにしています。
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(続き)...ネタばれ注意
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【レクターのマスク】
「羊たちの沈黙」で議員に面会した時につけていたマスク。
当時の獄卒バーニーによりメイスンに売られます。
その額25万ドル。現在のレートで約2億円!?
即決で小切手です。
【スリの末路】
パッツィに脅されたスリが、レクターの指紋をとろうとします。
街中でチャンスを伺うスリ。
一瞬レクターとぶつかります。
見事に指紋を取ることが出来ました。
が、同時にレクターによりタマを潰され悶死します。
スリの血がついた手を、パッツィは噴水(?)の水で洗い流します。
冒頭の血まみれの赤ん坊を洗うクラリスの姿がかぶります。
【イノシシの餌】
メイスンは手下を使いなんとかレクター捕えます。
そしてレクターを生きたままイノシシに喰わせようとさせます。
メイスンは車いすに乗り高い所から鑑賞します。
張り付けられたレクターにイノシシが迫る中、間一髪でクラリスが救出します。しかしクラリスは敵の銃弾を受けてしまいます。
逆にクラリスをかついで逃げるレクターは、メイスンの車いすを押している執事兼医者(?)に「自分がやったことにすればいい」と、メイスンを突き落とすよう促します。
まるで彼がメイスンを殺したいほど嫌いなことを知っているかのように。
メイスンは車いすごと飢えたイノシシの群れに突き落とされると、生きたまま身体を喰われて死にます。
【最後の晩餐】
有名なシーンですね。ここが一番グロいところなんでしょう。
レクターがクラリスを救った後、ポールの別送でディナーを振舞います。
傍らには車いすに乗ったポールもいます。
さて食事の前にお祈りをしなくてはいけません。
レクターに促されポールはお祈りの言葉を口にします。
それはクラリスを口汚く罵る内容でした。
お祈りも済み、さぁメインディッシュです。
レクターが脳は痛みを感じないと語りながら、ポールの頭の皮を頭蓋骨と共に剥がします。
ポールは何されているかもわからないようです。
脳みそ丸出しのポール。もちろん生きています。
おもむろにレクターがポールの脳みそを切り出し、サイドのフライパンに乗せ焼き始めます。ポールは何されているか判らないようです。
レア程度に焼けたポールの脳みそ。
それをフォークでポールの口に運びます。
自分の脳みそを旨いと言いながら喰うポール。
レイ・ロリッタがいい感じの間抜け役を演じていてたまりません。
【またも逃げおおせたレクター】
クラリスと手錠に繋がれたレクター。
逃亡するために自らの手首を切り落とします。
レクターはクラリスを傷つけられませんでしたね。
シーンは斧を振り下ろす所で切れるので、実際はどうなったのか明確にされません。が、その後のクラリスが無事なこと、飛行機内でレクターが左腕を三角巾で縛っていたことから、容易に推測されます。
自分よりクラリスを優先したレクター。
何を意味するのでしょうか?
レクターの恋?
判りません。
逃亡の飛行機内。
レクターは機内食が不味いので、自分用の食事を取り出します。
その様子見ていた子供が、パックに入れられた脳みそに興味を示します。レクターは脳みそを切り出して....
終幕です。
この脳みそはポールのなんでしょうね。
以上です。